老後を迎えると、年金収入が生活の柱になるでしょう。
もし年金額が少なければ、昨今の物価上昇でやりくりできるのか不安になりますよね。
少しでも年金を増やしたいと考える場合、有効な対策の一つが「繰下げ受給」です。
最大で84%も年金受給額を増やせる制度について解説するとともに、特に「年の差夫婦」が知っておきたいデメリットも紹介します。
老後対策の一環として、年金制度の理解を深めていきましょう。
【注目記事】年金を増やしすぎた夫婦を待つ悲劇。手遅れになる前に知っておくべき繰下げ受給の仕組み
1. 繰下げ受給で年金額を増やすしくみ
公的年金には国民年金と厚生年金があります。どちらも原則65歳から受給開始となりますが、受け取りを66歳以降に遅らせることで、受給額をアップさせることができます。
これを年金の繰下げ受給といいます。
増加率は1カ月遅らせるごとに0.7%なので、1年遅らせると8.4%、10年では84%にもなる計算です。
例えば月額が10万円だったとしましょう。年金の受け取りを75歳まで我慢できれば、月額18万4000円にまで増やせるのです。
ただし、繰下げ受給にはデメリットもあります。特に夫婦が注意した「加給年金」との兼ね合いを見ていきましょう。