親しみやすい雰囲気や、独特のアクセント・言い回しが人気の関西弁。

最近はテレビや雑誌、SNSなどで、関西弁を取り上げたものを見かけることが増えています。

3月に最終回を迎えたNHKの朝ドラ「舞いあがれ!」でも、ヒロインや家族の大阪弁が話題となりました。

一方で、関西出身や関西在住など、関西にゆかりのある方からは、「関西弁と一括りにしているけど、地域によって違いがあるよね」「大阪ではそう言うんだろうけど、うちの地元では違うなぁ」という意見がしばしば上げられています。

なかには、「そもそも「関西弁」なんて方言はないのでは?」という声も。

そこで今回は、関西エリア内でも地域によって変わる表現と、地域ごとの方言の種類をざっくりと紹介します。

【注目記事】関西弁あるある5選!「せやなぁ」「ばんそうこう」など地域やニュアンスで表現が異なる言葉

地域で変わる表現の代表例「来ない」

まずは、関西エリア内でも地域で変わる表現の代表例「来ない」を紹介します。

関西弁にあまりなじみがなく、「来ない」の関西弁は「こーへん」と思っている方もいるのではないでしょうか。

実際は地域によって表現の仕方が異なり、長く関西に住んでいると「来ない」という言い方だけで相手の出身地を大まかに推測できるようになるのだとか。

「来ない」の関西弁の一例は、以下の通りです。

  • きはらへん
  • きーひん
  • けーへん
  • こーへん
  • こやん

県境や市境でハッキリと分かれるわけではないのですが、「きはらへん」と「きーひん」は京都周辺、「けーへん」は大阪周辺、「こーへん」は神戸周辺、「こやん」は和歌山周辺でよく使われるようです。

「きはらへん」と「こやん」は全く違う響きなのに、同じ関西エリア内で使われています。

「関西弁」とはいえ、地域によって表現が変わるのはおもしろいですね。

大阪府内の方言をもう少し細かく見てみると・・・?

関西の言葉は地域によって表現が変わることが確認できたところで、次は大阪府内の方言をもう少し細かく見ていきます。

四国の香川県に次いで全国で2番目に面積が小さい大阪府ですが、地域ごとに方言が存在しています。

今回紹介するのは、北摂弁・河内弁・泉州弁です。

1/3

出所:LIMO編集部

出所:LIMO編集部

ざっくりと分けると、北摂弁は比較的京都に近いエリア、河内弁は大阪府東部、泉州弁は大阪府西南部で話されています。

北摂弁では「来ない」を「こーへん」、河内弁・泉州弁では「けーへん」と言ったり、「言わない」も北摂弁で「ゆわへん」と河内弁・泉州弁で「ゆえへん」と表現したりしており、若干の違いが見られますね。

限られた面積のなかでも違いがあるとは、驚きです。

※分け方はあくまでも一例であり、地域により異なります。

「京都弁」として知られているのは主に「山城方言」

2/3

CrispyPork/shutterstock.com

CrispyPork/shutterstock.com

「~ひん」「~やす」など、はんなり上品な印象を持つ京都弁。

多くの人がイメージする、京都人が使う言葉は、京都府南部の山城地域で使われる「山城方言」に分類できます。

京都府の北部で使う表現は「丹後方言」、中南部の表現は「奥丹波方言」と「口丹波方言」に分けられます。

北部のなかでも舞鶴のあたりでは、「~された」を「~ちゃった」、「~しておられる」を「~とって」と言うことも。

京都弁ではそれぞれ「~はった」、「~てはる」が近いニュアンスに該当することから、京都府内にも様々な言い回しが存在することがわかりますね。

兵庫の方言は6つに分けられるのだとか

3/3

Sean Pavone/shutterstock.com

Sean Pavone/shutterstock.com

兵庫県は、大きく分けると摂津・丹波・播磨・但馬・淡路の5つのエリアで構成されています。

県が設置される前は別々の国だったため、方言にもバラつきがあるようです。

諸説ありますが、兵庫県内の方言は5つのエリアに神戸弁を加え、6つに分けられるのだとか。

京都に近い丹波の言葉は京言葉の影響を受けたり、鳥取県に隣接する但馬では中国地方の流れを受けて標準語っぽいアクセントになったりしている傾向にあります。

それぞれの地域色が強いため、兵庫県民でも同じ兵庫県出身と気づくのが遅れることも。

兵庫県を訪れるときは、周りから聞こえる地元の方の言葉に耳を傾けるのもよいかもしれませんね。

【番外編】世代によって使う表現が異なるとの声も

ここまで、関西弁は地域によって表現が変わり、様々な種類があることを紹介してきました。

しかし、関西弁の違いは地域だけではないようです。

過去に関西弁を紹介する記事に寄せられたコメントでは、「世代によって使う表現が異なる」「祖父母と自分では、同じ地域で生まれ育っても使う表現・イントネーションが違う」との意見が見られました。

実際、学生などの若い世代を中心に、「してまう」を「しちゃう」と表現する人が増えたり、地域によって違いがあった「来ない」は「こーへん」に統一されつつあったりするようです。

テレビやSNSの普及により遠方の方言をよく耳にするようになり、関東で関西弁が広まったように、関西でも関東の言葉が一部では浸透しつつあると考えられます。

今後関西や関東で使われている表現がどのように変化するのか、目が離せません。

滋賀県・奈良県・和歌山県にも地域ごとの違いが

本文内で紹介しきれなかった滋賀県・奈良県・和歌山県にも、地域ごとに違いがあります。

滋賀県の場合、京都に近い場所ほど京都方言の影響が濃く、北陸方面へ北上するにつれ薄れる傾向にあります。

特に湖北(琵琶湖の北側)では、「〜やある」のような独特の言い回しが見られるそうです。

また、奈良県内でも北中部の奈良弁・大和弁と南部の奥吉野方言、和歌山県内でも北・中・南部では異なるのだとか。

今回は府県ごとに項目を分けて紹介しましたが、実際の方言は、グラデーションするように緩やかに異なっているのかもしれません。

ひょっとすると、関西エリアで話されている言葉を「関西弁」と一括りにするのは難しいのでは?

あなたはどう感じたか、ぜひ周りの人と話し合ってみてくださいね。

※4/17 読者の方からご指摘をいただき、一部内容を修正しました。

参考資料

太田 彩子