みなさんにとって「老後のスタート」はいつからでしょうか。
老齢年金は65歳から受け取り始めるのが一般的ですが、長く仕事を続けるシルバー世代が増えるいま、「70歳」を老後の始まりと考える人も少なくないでしょう。
今回は、70歳以上世帯の貯蓄事情にフォーカス。「貯蓄4000万円超」の世帯がどれほどいるのか、総務省の家計調査をもとに眺めていきます。また、老後の収入の柱となる公的年金の月額についても確認しましょう。
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1. 70歳以降で「貯蓄4000万円超」の世帯は何パーセント?
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)詳細結果-(二人以上の世帯)」によると、70歳代の貯蓄の平均額は2318万円です。
平均額だけを見ると、かつて話題となった「老後2000万円問題」はクリアしているようですね。とはいえ、各世帯の「実際の貯蓄額」には、グラフの通り個人差があります。詳しく見ていきましょう。
1.1 70歳以降の貯蓄現在高(195万6775世帯)
70歳以降世帯の貯蓄現在高について、金額ゾーンごとに世帯数を確認しましょう。
平均貯蓄額:2318万円
- ~100万円未満:16万7923世帯
- 100万円~:7万330世帯
- 200万円~:6万4911世帯
- 300万円~:7万416世帯
- 400万円~:5万8418世帯
- 500万円~:7万836世帯
- 600万円~:5万5234世帯
- 700万円~:6万223世帯
- 800万円~:6万6513世帯
- 900万円~:6万1314世帯
- 1000万円~:9万9750世帯
- 1200万円~:10万894世帯
- 1400万円~:7万7963世帯
- 1600万円~:7万6228世帯
- 1800万円~:5万7397世帯
- 2000万円~:16万4838世帯
- 2500万円~:12万1503世帯
- 3000万円~:17万7626 世帯
- 4000万円~:33万4458世帯
グラフでみると最も多いのは「4000万円超」の世帯。その数は3万4455世帯と、総世帯数の約17%を占めています。次いで多いのが「3000万円以上」「2000万円以上」の世帯ですね。
働き盛りの現役世代の中には「今のシニア世代は、結構貯蓄を持っている」と感じた方が多いかもしれません。
70歳代以上は、年金生活を送られている人が大多数ですが、退職金や相続資産なども含め、まとまった金額の貯蓄を保有していることも珍しくないようです。
とはいえ「100万円未満」など、極端に貯蓄が少ない世帯数も一定数存在し、老後の資産格差が如実にあらわれていますね。
70歳以降の貯蓄事情が少し見えてきたところで、老後の暮らしの柱となる「年金事情」についても見ていきます。