帝国データバンク「4月から1世帯「月2000円」 食費負担増の試算」によると、生鮮食品を除く食品の値上げによる家計支出額の影響は、1世帯あたり前年の22年度月平均から月約2140円増、年間で約 2.6万円増(節約など値上げへの対策をしない場合)と公表されました。
特に年金生活を送る人は収入が限られるため、去年から続く物価高を苦しく思う方は多いでしょう。
今は60歳代で働く方も多いですが、相次ぐ物価高では「仕事を辞めたくても辞められない」という人もいるのではないでしょうか。
老後生活を支えてくれるのは主に「年金と貯蓄」になります。今回はリタイアした「65歳上・無職世帯」の生活をみていきましょう。
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1. 65歳以上の平均的な貯蓄額は?「2000万円」は超えるのか
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」より、まずは世帯主が65歳以上の二人以上世帯の貯蓄分布をみていきましょう。
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出所:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」
1.1 65歳以上の世帯の貯蓄現在高(平均・中央値)
- 平均:2367万円
- 貯蓄保有世帯の中央値:1588万円
上記を見ると平均は「老後2000万円問題」で話題となった2000万円を超えますが、平均は一部の富裕層に影響されます。
より実態に近い中央値をみると1588万円となっており、2000万円保有していない世帯も多いとわかります。
分布を見ると貯蓄4000万円以上が17.7%な一方で、100万円未満は8.3%でした。
2. 65歳以上・無職世帯の貯蓄現在高を確認
次に同資料より、65歳以上・無職世帯の貯蓄現在高を確認します。
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出所:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」
2.1 65歳以上・無職世帯の貯蓄現在高
- 貯蓄現在高:2342万円
内訳
- 通貨性預貯金:623万円(26.6%)
- 定期性預貯金:924万円(39.5%)
- 生命保険など:403万円(17.2%)
- 有価証券:388万円(16.6%)
- 金融機関外:4万円(0.2%)
平均的な貯蓄現在高は2000万円を超えました。
内訳を見ると預貯金を多く保有していますが、一部生命保険や有価証券で運用しているのがわかります。
現代は国の税制優遇制度としてiDeCoやNISAがあり、2024年からは新NISAがはじまる予定です。
貯蓄を増やす、守るためには資産運用も一つの手段となるでしょう。
3. 65歳以上・無職世帯の生活。月の老齢年金額と生活費はいくら?
より年金生活について確認すべく、年金額と生活費も確認しましょう。
厚生労働省によれば、令和5年度の国民年金と厚生年金の年金額は以下の通り。
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出所:厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
3.1 2023年度の国民年金と厚生年金の年金額
- 国民年金(満額):6万6250円(新規裁定者。68歳以上の方は6万6050円)
- 厚生年金はモデル夫婦(2人分の国民年金と厚生年金):22万4482 円
上記は国民年金の満額とモデル夫婦の金額となっており、実際には年金受給額は個人差が大きくなります。
まずはねんきんネットやねんきん定期便などでご自身の受給予定額を確認しましょう。また年金額は毎年改定されるので、確認するようにしましょう。
月の生活費については、総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」より確認します。
3.2 65歳以上の夫婦のみ無職世帯の「月の生活費」
- 消費支出 :月22万4436円
- 非消費支出 :月3万664円
合計支出 :月25万5100円
消費支出だけで月22万4436円です。はじめの帝国データバンクによれば、節約など値上げへの対策をしない場合、食品の値上げだけで月約2000円が増えることになります。
実際には個人差がありますが、値上げは食品だけではないですから、家計へ大きな負担を与えるでしょう。
また非消費支出は月約3万円です。年金生活でも社会保険料や税金がかかりますから、ご家庭の非消費支出額についても把握し、老後の家計を考えましょう。
4. さまざまな方法で老後対策を
65歳以上・無職世帯の生活をみてきましたが、去年からの値上げは想定していなかった方も多いと思います。
人生100年時代、いつ何が起こるかわかりませんから、老後のためにもさまざまな方法で備えることが大切でしょう。
具体的には貯蓄の他に、現役時代から公的年金を増やす工夫をする、長く働けるキャリアを考える、私的年金や資産運用をおこなうなどの方法があります。
まずは情報収集からはじめてみてくださいね。
参考資料
- 帝国データバンク「4月から1世帯「月2000円」食費負担増の試算」
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」
宮野 茉莉子
