人事院によれば、国家公務員の定年は原則60歳ですが、2023(令和5)度以降2年に1歳ずつ定年が引き上げられ、2031(令和13)年4月には原則65歳になるとのことです(「国家公務員法等の一部を改正する法律」2023年4月1日施行)。
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出所:人事院給与局「国家公務員の60歳以降の働き方について (概要)」
働く60歳代は増えており、公的年金の受給開始年齢も一般的には65歳からです。
一昔前は60歳で定年が当たり前でしたが、着々と65歳まで働き続ける時代に近づいていると感じます。
では、実際に働く60歳、また70歳代はどれくらいいるのでしょうか。あわせて貯蓄など、60歳代のリアルを見ていきます。
働く60歳代の割合は?60歳でリタイアは約1割に
総務省2022年(令和4年)「労働力調査(基本集計)」によると、60~64歳で働く割合は全体で73.0%(男性83.9%・女性 62.7%)です。
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出所:総務省2022年(令和4年)「労働力調査(基本集計)」
55~59歳は全体で82.8%(男性91.3%・女性74.0%)ですから、60歳で仕事を辞める人は約10%で、多くの方が60歳以降も働き続けることがわかります。
65~69歳でみると全体で50.8%(男性61.0%・女性41.3%)に。60歳代前半より男女ともに20ポイントほど働く人の割合は減るものの、それでも半数が仕事を続けています。
70歳代前半になれば、全体で33.5%(男性41.8%・女性26.1%)に下がります。
60歳代よりは減ったものの、仕事を続ける男性は約4割という多さになっています。
平均寿命が伸び、老後が長くなる現代においては、この傾向はより進むと考えられるでしょう。
60歳代の貯蓄事情。「2000万円」は無理があるか
老後の生活を支えてくれるのは「年金と貯蓄」です。では現代の60歳代はどれくらい貯蓄を保有しているでしょうか。
今回は金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上上世帯調査](令和4年)」をもとに、60歳代・二人以上世帯の貯蓄を確認しましょう。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」をもとにLIMO編集部作成
60歳代・二人以上世帯の貯蓄平均と中央値
- 平均:1819万円
- 中央値:700万円
60歳代の貯蓄は平均が2000万円近くにはなりましたが届きませんでした。より実態に近い中央値をみると700万円と、大きく下がりました。
分布を見ると、貯蓄2000万円以上は29.1%でした。一時期話題となった「老後2000万円」には約7割が達していません。
貯蓄は年金で不足する部分や、趣味や旅行、リフォーム、また病気や介護の時も支えてくれます。しかし安心できるほど貯蓄は保有できていない世帯も少なくないでしょう。
60歳代に向けたキャリア&マネープランが必須か
日本人の平均寿命は男性81.47歳、女性87.57歳です。今後さらに平均寿命が伸びる可能性はあるでしょう。
一方で、少子高齢化に歯止めがかからず、年金受給額は減る可能性があります。長い老後を生きていくには、公的年金以外のマネープランや長く働くキャリアプランが重要といえるでしょう。
長く働き続ければ、その分月々の収入が入ります。毎月収入があれば貯蓄を切り崩さなくても済んだり、貯蓄を増やしたりすることも可能でしょう。
ただ働き続けるには健康であることが重要ですし、年齢を重ねても働き続けられる仕事であることが重要ですから、現役時代から意識していきたいものです。
また、老後に向けた資産形成にはさまざまなものがあります。国の税制優遇制度であるiDeCoやNISAを利用したり、また老後は年金の繰り下げ受給を検討したりといった方法もあるでしょう。
運用にはリスクがありますし、どのようなマネープランが合っているかは個人差があります。65歳まで働き続ける可能性が高い現代、ご自身のキャリアとマネープランについて考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 人事院給与局「国家公務員の60歳以降の働き方について (概要)」
- 総務省2022年(令和4年)「労働力調査(基本集計)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和4年)各種分類別データ」
- 厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」
宮野 茉莉子
