給与明細の見方とは?天引きされるものも確認

初任給を受け取ると、額面と実際に振り込まれる金額の違いに驚かれるかもしれません。

給料は「基本給」と「各種手当」で構成されています。

額面とは

「基本給」とは、給料のベースとなる賃金のことで、勤続年数や業務内容などを基準に決められています。これに通勤手当や住宅手当、残業手当など各種手当がプラスされ、会社が従業員に支払う総額が「総支給額」として給与明細に記載されます。

これが「額面」と呼ばれるものです。

「総支給額(額面)」=「基本給」+「各種手当」

各種手当には基本的に次のようなものがあります。

  • 通勤手当
  • 残業手当
  • 住宅手当
  • 役職手当
  • 家族手当
  • 資格手当

手取りとは?天引きされるものも確認

手取りは額面から税金や保険料などが差し引かれて、実際に手にすることができる金額です。どんなものが引かれているのか確認してみましょう。

額面から天引きされるもの1.健康保険料

会社員や公務員が加入する公的医療保険です。月給および賞与に保険料率を掛けた額を、原則として従業員と事業主で半分ずつ負担します。

額面から天引きされるもの2.介護保険料

40歳以上65歳未満の人は、健康保険料に介護保険料が上乗せされます。老化や疾病により介護の必要性が認定されると、介護サービスを受けることができます。

額面から天引きされるもの3.厚生年金保険料

会社員や公務員などが加入する公的年金制度です。月給および賞与に保険料率を掛けた額を、原則として従業員と事業主で半分ずつ負担します。

額面から天引きされるもの4.雇用保険料

雇用保険とは、失業時に受け取れる失業保険の給付など被保険者の生活を守るための労働保険のひとつです。令和5年度の労働者負担の雇用保険料率は0.6%(一般事業)となっています。

額面から天引きされるもの5.所得税

毎月の給与や賞与から所定の方法により計算した所得税額が天引きされ、会社が納税者本人に代わって国に納付します。この仕組みを「源泉徴収」といいます。

源泉徴収された金額に過不足があった場合は、その年の最後の給与を支払うときに精算します。これを「年末調整」といいます。

額面から天引きされるもの6.住民税

住民税は、居住地の都道府県や市区町村に対して納付する税です。前年の所得に対して課税され、会社員の場合はその年の6月から翌年の5月までの12回に分割して給与から天引きされます。

そのため、前年の所得がない社会人1年目は住民税の徴収はなく、2年目から課税されます。

「総支給額(額面)」-(健康保険料+厚生年金保険料+雇用保険料+所得税+住民税)=「手取り」
※40歳からは介護保険料も差し引かれます。

まとめにかえて

社会に出て働き、初めて手にした給料は、その金額に気を取られがちですが、その明細を良く見れば、社会人として生活基盤を築き生活を守るための保険料や、国や地方公共団体が行う活動を支えるための税金を納めていることがわかり、社会の一員となったことが実感できるはずです。

初任給で、支えてくれた家族へのプレゼントを買う、頑張った自分へのご褒美を買うなど、いろいろ考えるのも一興ですね。

参考資料

石倉 博子