2. 過去30年間の世界の平均年収の推移

ここからは、1991年から2021年までの30年間で世界の平均年収がどのくらい変わったのかを見ていきましょう。

出所:OECD(経済協力開発機構)「平均賃金(Total, US dollars, 1991 – 2021)

以下は主要7カ国の過去30年間の平均年収の推移です。

  • 日本:3万7866ドル⇨3万9711ドル(1.05倍)
  • アメリカ:4万9121ドル⇨7万4738ドル(1.52倍)
  • イギリス:3万3191ドル⇨4万9979ドル(1.51倍)
  • カナダ:4万0670ドル⇨5万6006ドル(1.38倍)
  • イタリア:4万0620ドル⇨4万0767ドル(1.00倍)
  • フランス:3万6828ドル⇨4万9313ドル(1.34倍)
  • ドイツ:4万1925ドル⇨5万6040ドル(1.34倍)

上記データによれば、日本の平均年収は過去30年間で約1.05倍の上昇率となっており、ほぼ変わっていないということが分かります。

対して世界の平均年収はというと、イタリアを除く国々では1.3倍から約1.5倍ほどの上昇率となっています。

仮に、1991年の日本人の平均年収3万7866ドルを基準に、この30年間で日本人の平均年収も1.3倍上昇していたと仮定すると、現在の日本人の平均年収は約541万円。

米国同様に約1.5倍の上昇率であれば、日本人の平均年収は約625万円近くになっていたかもしれません。

ここまで各国における平均年収の違いを話してきました。実際、各国と比較すると日本の平均年収の伸び率は高いとは言い切れませんでしたね。

しかし、ここで1つ伝えておきたいことは、「平均年収が伸びているか・そうでないか」でその国の経済状況まで良い悪いといえるものではないということです。

何故なら、私たちにとって大事なことは「仮に日本人の平均年収が今の水準のままで、世界の賃金水準や物価だけが上がった場合、私たちの生活にどのような影響が出るのか」という点だからです。