4. 老齢年金だけで暮らせるの?
国民年金だけの方であれば5万円台、厚生年金も受給する方は14~16万円台が月額の平均となりました。
ここで気になるのは、老齢年金だけで暮らせるのかということです。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](2022年)」によると、70歳代で貯蓄ゼロ世帯の割合は18.7%となっています。
貯蓄がない場合は収入だけでやりくりしなければなりません。
しかし、厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」によると、「公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%」の世帯はたった24.9%でした。
多くの方は、年金だけでなく何らかの形で補填している現状がわかります。
老後に向けて、年金以外の資産を自分で作る必要があるでしょう。
5. 老後資金の形成を考えてみては
60歳~90歳以上が受給する公的年金の平均月額を5万円刻みで見ていきました。
全体の平均月額は国民年金が5万6368円、厚生年金が14万3965円ですが、年代が若いほど少ない傾向にあります。
年金制度は「現役世代が今の高齢者を支える」という賦課方式です。少子高齢化が進めば支える人口が減り、ますます受給額が少なくなる可能性もあるのです。
年金の受給開始年齢が遅くなることも考えられるでしょう。
老後を過ごすのにとても大切な老齢年金ではありますが、一本で支えるのはリスクがあるかもしれません。
自分だけの老後資金をしっかり備えていきたいですね。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2022年12月)
- 厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](2022年)」
太田 彩子