総務省「2020年基準 消費者物価指数東京都区部 2023年(令和5年)2月分(中旬速報値)」によると、2023年2月の東京都区部消費者物価指数は総合指数(生鮮食品を除く)で前年同月比3.3%上昇しました。

去年から引き続き、物価上昇が続いています。

年金で生活する高齢者にとって物価高は大きな不安となるでしょう。特にひとり世帯はひとりで老後資金に備えなければならないため、年金生活がはじまる60歳代でどれくらい貯蓄を保有していればいいのか悩む方もいると思います。

今回は60歳代・ひとり世帯の貯蓄や年金生活のリアルを解説します。

【注目記事】60歳代で「貯蓄4000万円以上」の世帯はどれくらい?平均は2537万円

1. 60歳代「ひとり世帯」の貯蓄。平均と中央値の差は約1000万円

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると、60歳代の単身世帯の平均貯蓄額は1388万円です。

出所:金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」をもとにLIMO編集部作成

60歳代でひとり世帯の平均貯蓄額は1388万円ですが、より実態に近い中央値は300万円となっており、約1000万円の差が出ました。

3000万円以上の貯蓄を保有する世帯が16.9%である一方で、貯蓄なしの世帯が28.5%あります。

60歳代で年金生活に入る人が多いですが、現役時代の年収や住宅ローンなどの家計の状況、貯蓄習慣、退職金などによって貯蓄に差がつきやすい年代と言えるでしょう。

健康問題や介護など、将来を見据えた貯蓄が必要になる時期であり、個々人のライフスタイルや将来の生活設計に応じて、現役時代から適切な貯蓄計画を立てることが重要です。