【還暦エイジ】60歳代「貯蓄の平均・中央値」とは。老後資金の切り崩しは何歳から？

1. 「老後の資金」みんな何歳から使い始めるの？

老後のスタートを何歳ととらえるかには個人差がありますが、勤め先を定年退職したり、年金を受取り始めたりする人が多い「65歳」と考える人も多いでしょう。

しかし、65歳からいきなり今までの資金の取り崩しを始めるわけではありません。では、みんなが「老後資金」を使い始めるタイミングは何歳ごろなのでしょうか。生命保険文化センターの調査結果を見てみます。

出所：生命保険文化センター「生活保障に関する調査」／2022（令和4）年度

老後資金を使い始めるタイミングは、やはり年金受給の始まる「65歳」と回答した人が約3割と最多でした。次いで70歳が約2割、60歳が約1割です。

60歳、65歳、70歳といった「区切りの良いタイミング」で使い始める人が多いようです。

出所：厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」

ちなみに、厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」によると、男性は平均寿命は81.47歳、女性は87.57歳です。65歳からを老後と考えると、男性は約16年間、女性は約22年間になりますね。

元気で長生きできればそれに越したことはありませんが、歳を重ねることで、健康面での不安が増えるのも現実でしょう。公的年金だけを頼りにする暮らしを心もとないと感じる人が多数派かもしれません。

遠い将来を見据えた貯蓄は、現役時代の早い時点で意識しておきたいですね。60歳代の時点でまとまった蓄えがあるかどうかで、老後の不安を軽減することができるでしょう。

では、いまの60歳代の世帯は、実際にどの程度貯蓄ができているでしょうか。次は「二人以上の世帯」と「おひとりさま世帯」に分けて、60歳代世帯の貯蓄事情を確認していきます。