2. 年金受給額を上げる方法
老後の年金額を少しでも上げたい、と考えた場合、いくつかの方法があります。
2.1 国民年金を追納する
「学生納付特例制度」で納付猶予を受けているなど、免除・納付猶予期間がないか確認しましょう。手続きをふみ追納が承認されれば、過去10年以内の免除等期間につき「追納」することができます。
年金保険料を納めれば、その分国民年金部分の受給額が下がらずにすみ、満額に近づくことができるのです。
2.2 収入を上げる
厚生年金は収入に連動して保険料が決まり、支払った保険料と年金加入期間に応じて老後の年金額が決まります。つまり、現在の給料水準を上げれば年金額が増える可能性があるということです。
シンプルにいうと、「多く稼ぎ、長く働く」ことが将来の年金額を上げる一つのカギとなるでしょう。
2.3 年金の「繰下げ受給」を検討する
老齢年金は原則65歳から受給できます。この開始時期を遅らせて受給額が上がるしくみが「繰下げ受給」の制度です。
繰下げ1カ月あたり0.7%の増額率が適用されますので、70歳まで(60カ月)繰下げれば42%増えます。繰下げ上限年齢の75歳まで(120カ月)受給を待った場合、年金は84%増えるのです。
一見おトク度の高いしくみではありますが、年金受給開始までの生活資金に目処が立っていることが前提となるでしょう。
切り崩す貯蓄が十分準備できていない場合や、労働収入が見込めない場合などはリスクがあるかもしれません。繰下げ受給を検討する場合、資産状況と健康状態を考慮しながら慎重に判断する必要がありそうです。