老後、生活費が「月15万円」だとすると、公的年金が「月15万円以上」あれば最低限の生活は確保できる、ということになります。
しかし、現状、公的年金だけで生活できる高齢者世帯の割合は半数以下となっています。
厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、収入のすべてが「公的年金・恩給」である世帯は43.4%。残りの約57%は働いて収入を得る、運用している資産の配当金や分配金などを得るなど、公的年金以外の収入を得ていることがわかります。
では、いまのシニア世代は公的年金=老齢年金「国民年金・厚生年金」を月額どれくらい受けとっているのでしょうか。厚生労働省の資料をもとに解説していきます。
1. 【2025年度】年金額は1.9%増額改定《たとえば月額いくら?》
公的年金額は物価や現役世代の賃金を考慮して、年度ごとに見直されるルールです。2025年度の年金額は、前年より1.9%引き上げとなりました。
1.1 【最新版】2025年度「国民年金」と「厚生年金」の年金額例
厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、モデル夫婦世帯(※1)は夫婦2人分で月額23万2784円。国民年金の満額(※2)は月額6万9308円です。
夫婦ともに国民年金(満額と仮定)を受け取る世帯の場合、2人分の合算額はひと月13万8616円となります。
公的年金(国民年金・厚生年金)ならびに「年金生活者支援給付金(※)」の支給は「偶数月の15日」。15日が土日・祝日の場合は直前の平日に前倒しとなります。
なお、今回の改定率は「6月」に支給される4月分の年金から適用されています。
※1 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5万円)で 40 年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
※2 国民年金保険料を全期間(480カ月)納付した場合に65歳以降で受給できる年金額