将来受給することになる「公的年金」は、個人によってその受給額が異なります。
特に「厚生年金」は現役時代の収入や加入期間が影響するため、差が顕著です。
そこで今回は、個人差だけでなく「都道府県ごとの受給差」に着目し、高い地域のランキングを紹介します。
厚生労働省が2022年12月に公表した「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」から見ていきましょう。
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1. 「年金受給額」都道府県ランキング
早速、厚生労働省の資料より「厚生年金の受給額」を都道府県別のランキング形式で見ていきます。
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出所:厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
1.1 厚生年金の受給額が高いランキングTOP5
- 神奈川県:16万5321円
- 千葉県:16万17円
- 東京都:15万8661円
- 奈良県:15万7601円
- 埼玉県:15万6319円
1.2 厚生年金の受給額が低いランキングTOP5
- 青森県:12万2111円
- 秋田県:12万2914円
- 宮崎県:12万3220円
- 沖縄県:12万3755円
- 山形県:12万4517円
1位の神奈川県と47位の青森県では、月額4万円以上の差があります。
年間で51万円以上ともなると、その差が大きく感じるものです。
2. 都道府県で厚生年金の平均額が変わる理由
厚生年金は、もちろん居住地によって年金額が決まるわけではありません。
冒頭に解説したとおり、厚生年金の受給額は現役時代の収入や加入期間で決まります。
そのため、結果的に都道府県ごとで水準が異なるようになったと考えられます。
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出所:日本年金機構「令和4年度版 老齢年金ガイド」
多く稼いだ人は年金額も高くなるため、都市部で年収が高い地域の年金額は高くなります。
また、自営業の比率が高いと厚生年金の加入月数も減るため、農業等の産業が盛んな地域であれば厚生年金の平均額が少なくなるでしょう。
その他、女性の就業率が低い地域であれば、結婚や出産を機に扶養に入るため、厚生年金の平均が少なくなる可能性も高いです。
このように平均年収や自営業率、女性の就業率等が影響し、都道府県の受給額に格差が生まれたと考えられます。
3. 資料でわかる厚生年金の最新事情
都道府県ごとの年金水準がわかったところで、最後に全国平均も見ていきましょう。
厚生労働省が公表した「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2021年末時点での厚生年金(第1号)の受給権者数は1618万445人、平均受給額は月額14万3965円でした。
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出所:厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
3.1 受給額ごとの人数
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
平均が14万3965円とはいえ、ボリュームゾーンは9~11万円未満となっています。このあたりが相場といえるでしょう。
3.2 男女別の受給額の差
また男女別の受給額グラフも見ていきましょう。
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出所:厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
男女でも水準が異なることが浮き彫りとなりました。
4. 厚生年金以外の老後資金も重要に
厚生労働省の最新資料から、都道府県ごとの厚生年金受給額を見ていきました。
都道府県ごとの年収差や就業構造を遠因とし、1位の神奈川県と47位の青森県には年間50万円もの差が生まれています。
また全国の様子を見ていても、個人差や男女差がかなりあることがわかりました。
ボリュームゾーンが10万円前後だと考えると、老後の生活が少し不安に思えるかもしれません。
まずはねんきんネットやねんきん定期便などで自分の年金見込額を知り、不足する分の準備が必要になるでしょう。
参考資料
太田 彩子
