2. 都道府県で厚生年金の平均額が変わる理由
厚生年金は、もちろん居住地によって年金額が決まるわけではありません。
冒頭に解説したとおり、厚生年金の受給額は現役時代の収入や加入期間で決まります。
そのため、結果的に都道府県ごとで水準が異なるようになったと考えられます。
多く稼いだ人は年金額も高くなるため、都市部で年収が高い地域の年金額は高くなります。
また、自営業の比率が高いと厚生年金の加入月数も減るため、農業等の産業が盛んな地域であれば厚生年金の平均額が少なくなるでしょう。
その他、女性の就業率が低い地域であれば、結婚や出産を機に扶養に入るため、厚生年金の平均が少なくなる可能性も高いです。
このように平均年収や自営業率、女性の就業率等が影響し、都道府県の受給額に格差が生まれたと考えられます。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)