2. 50歳代が気になり始める「老後の年金」は3年ぶりに引き上げ決定

ここまで、50歳代世帯の貯蓄事情を見てきました。現役世代は収入や貯蓄を上げるためにさまざまな工夫や努力をしてきた人も多いでしょう。そして、現役生活のラストスパート期にもなれば、やはり将来の「年金」も気になり始めますね。

公的年金は物価や賃金を考慮して毎年見直しが行われます。さる1月20日には、厚生労働省が令和5年(2023年)度の公的年金額の引き上げを公表しました。

出所:厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」

67歳以下の新規裁定者が受取る公的年金額は、前年度より2.2%引き上げられることに。国民年金の満額(※1)は6万6250円、厚生年金のモデル年金(※2)は22万4482円となりました。

※1 国民年金の満額:国民年金保険料を全期間(480月)納付した場合に受け取れる年金額
※2 モデル年金:平均的な収入で40年間就業したサラリーマンの夫と専業主婦で構成される世帯が受け取る、老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)の給付水準

とはいえ、実際の年金額は現役時代の年金加入状況により個人差が生じます。ここで、いまのシニア世代が実際に受け取っている年金額を見ていきましょう。