老後における生活資金源
老後の生活資金のことを考えると、少なからず心配になってしまうものですが、現時点ですでに老後生活に入っている世代の主な収入源はどうなっているのでしょうか。
令和3年度の金融広報中央委員家計の金融行動に関する世論調査の結果を一覧表にまとめました。
現在の老後世代は、年金制度の恩恵をまだ受けられている世代です。
公的年金で生活する割合は60歳代で83.9%、70歳代で89.4%。
働きつつも緩やかに公的年金を受給している世帯がほとんどのようです。
その他、確定拠出年金や個人年金などの他に、投資信託などの資産を切り崩しつつ生活を送っています。
不動産や配当所得など、不労所得を得ている人は少数派です。
退職金で家のローンを完済し、公的年金と資産の切り崩しで緩やかに生活する老後の生活スタイルは、今後一変する可能性があります。
公的年金が受給できる年齢が引き上げられるため、労働収入の割合は今よりも増えるでしょう。
退職金の受け取り金額の変化や、個人での資産形成など新しい老後生活のモデルが確立されそうです。
経済的豊かさと個々の豊かさ
来たるべき新しい老後の生活スタイルは前例がありません。
公的年金が当てにならない中、どのような収入を柱として生活を支えていくのか、不安は募るばかりです。
一方、現在老後生活を送る人々を対象とした調査からは、経済的豊かさと心の豊かさの関係性が現れています。
生活はそれなり、もしくはやや大変に感じることは多いものの、心が貧しくなるほどではないと感じている人が多く見られます。
労働収入が減る70歳代では、ある程度の心の豊かさを実感している層がより増えています。
心の豊かさの割合が高い世代は「老後世代」と「20歳代」です。
経済的豊かさが、必ずしも心の豊かさにつながらない証左ともいえるでしょう。
お金の心配も大事ですが、健康寿命が伸びる将来、少ない資金でもより充実した生活を送れるよう、考える必要がありそうです。