60歳代の理想の貯蓄額はいくらか

老後に経済的な不自由なく暮らすためには、年金だけでは足りません。では実際に仕事をリタイアするまでにどのくらい貯蓄があると安心なのか、チェックしていきましょう。

少し前に老後2000万円問題が話題となりましたが、夫婦2人の場合、年金に加えて2000万円の貯金があると、家賃や食費など普段の生活において大きな問題なく生活を送ることができると言われています。

たとえば、貯蓄が十分でない場合、急な医療費の支払いで困ったり、食費を節約したりと、倹約した生活を迫られる可能性があります。

一方で、貯蓄が2000万円以上ある場合は、より豊かな老後の生活を送ることができるでしょう。

年に1回くらい温泉旅行に出かけたり、月に1度外食を楽しんだり、毎週趣味の習い事に通ったりと、老後の生活がより充実したものになります。

仕事を退職するまでに、2000万円の老後資金を貯めるというのは、1つのボーダーラインです。さらに貯蓄が4000万円以上あれば、経済的には大きな余裕がうまれるでしょう。

現在の60歳代の方々のうち、5世帯のうち1世帯は、貯蓄4000万円以上を達成しています。さらに豊かな老後を送るためには、みなさんも、貯蓄が4000万円以上を目指してみてはいかがでしょうか。

60歳代で貯蓄4000万円を目指す方法とは

ただし、貯蓄4000万円を達成するのは、そう簡単ではありません。

貯蓄を成功させるために重要となるのは「時間」です。20歳代や30歳代の方など、退職までに時間がある方は、お金を貯める時間が多いため、50~60歳代の方に比べて有利にはなります。

貯金と同時に積立投資をあわせて行えば、資産が雪だるま式に増えていく「複利の効果」を活用して、さらにお金を大きく増やせる可能性があります。

運用にリスクはリスクがありますが、老後資金に備える選択肢の一つとなります。老後の生活をイメージできないという若い世代の方は多いかもしれませんが、情報収集をおこない、将来に向けて計画的に先取り貯金を検討するといいでしょう。

出所:金融庁「投資の基本」

すでに40~50歳代の方の場合は、現役世代のうちに収入を増やして、貯蓄額を増やすことができないか検討してみましょう。

妻が専業主婦の家庭の場合、パートで働きはじめるなどすることで大きな収入アップにつながります。

夫も副業を行ったり、65歳の定年退職後にも、仕事を続けられるようなセカンドキャリアを検討することも有効でしょう。

少しでも余裕がある老後の生活を送るために、ご家庭でできる貯蓄額を増やす方法を実践してみましょう。