令和4年度の国家公務員の定年は、原則60歳に達した日以後における最初の3月31日となっており、この時期は老後のマネープランを考える方も増えるでしょう。

60歳代は間もなく仕事をリタイアして、年金と今までの貯蓄を使って生活をする、人生のセカンドステージに入る年代です。

では、仕事を引退するまでにどのくらい貯蓄があると、経済的に安心した老後を送れるのでしょうか。

また、貯蓄が4000万円以上あるような60歳代の方はどのくらいいるのでしょうか。

今回は60歳代の貯蓄状況を参考にしながら、老後に必要となるお金について、チェックしていきましょう。

60歳代の平均貯蓄額はいくらか

まずは、60歳代の平均貯蓄額をチェックしていきます。

2021年の家計調査「二人以上世帯における世帯主の年齢階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高」によると、60歳代の貯蓄現在高の平均は2537万円となっています。

また、全世帯の平均貯蓄額は1880万円で、30歳から70歳代までの平均貯蓄額は以下の通りです。

<世帯主の年齢別 1世帯あたり貯蓄現在高>1/3

<世帯主の年齢別 1世帯あたり貯蓄現在高>

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)詳細結果-(二人以上の世帯)」をもとに筆者作成

60歳代は、他の世代と比べて最も貯蓄額が多くなる世代です。

今までの貯蓄に加え、退職金などまとまった金額を受け取るため、貯蓄額が大幅に増える家庭もあるでしょう。

70歳代など仕事をリタイアすると、貯蓄を切り崩しながら生活をしていくことになるので、貯蓄残高はゆるやかに減少していきます。

60歳代「4000万円以上の貯蓄」がある割合は?

全世代の中でも最も貯蓄が多い60歳代ですが、貯蓄が4000万円以上あるような、お金に余裕がある世帯はどのくらいいるのか、チェックしていきましょう。

2021年の家計調査によると、60~69歳の2人以上世帯のうち、貯蓄現在高が4000万円以上ある世帯は、24万5567世帯となっています。

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出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)詳細結果-(二人以上の世帯)」をもとにLIMO編集部作成

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)詳細結果-(二人以上の世帯)」をもとにLIMO編集部作成

60~69歳の2人以上世帯が、124万6484世帯なので、貯蓄4000万円以上の割合は約19.7%となります。

つまり、5世帯のうち1世帯は貯蓄が4000万円以上あることが分かります。

なお、貯蓄2500万円~3000万円の世帯数が8万8805世帯で約7.12%、貯蓄3000万円~4000万円の世帯が11万1288世帯で約8.92%となっています。

60歳代の理想の貯蓄額はいくらか

老後に経済的な不自由なく暮らすためには、年金だけでは足りません。では実際に仕事をリタイアするまでにどのくらい貯蓄があると安心なのか、チェックしていきましょう。

少し前に老後2000万円問題が話題となりましたが、夫婦2人の場合、年金に加えて2000万円の貯金があると、家賃や食費など普段の生活において大きな問題なく生活を送ることができると言われています。

たとえば、貯蓄が十分でない場合、急な医療費の支払いで困ったり、食費を節約したりと、倹約した生活を迫られる可能性があります。

一方で、貯蓄が2000万円以上ある場合は、より豊かな老後の生活を送ることができるでしょう。

年に1回くらい温泉旅行に出かけたり、月に1度外食を楽しんだり、毎週趣味の習い事に通ったりと、老後の生活がより充実したものになります。

仕事を退職するまでに、2000万円の老後資金を貯めるというのは、1つのボーダーラインです。さらに貯蓄が4000万円以上あれば、経済的には大きな余裕がうまれるでしょう。

現在の60歳代の方々のうち、5世帯のうち1世帯は、貯蓄4000万円以上を達成しています。さらに豊かな老後を送るためには、みなさんも、貯蓄が4000万円以上を目指してみてはいかがでしょうか。

60歳代で貯蓄4000万円を目指す方法とは

ただし、貯蓄4000万円を達成するのは、そう簡単ではありません。

貯蓄を成功させるために重要となるのは「時間」です。20歳代や30歳代の方など、退職までに時間がある方は、お金を貯める時間が多いため、50~60歳代の方に比べて有利にはなります。

貯金と同時に積立投資をあわせて行えば、資産が雪だるま式に増えていく「複利の効果」を活用して、さらにお金を大きく増やせる可能性があります。

運用にリスクはリスクがありますが、老後資金に備える選択肢の一つとなります。老後の生活をイメージできないという若い世代の方は多いかもしれませんが、情報収集をおこない、将来に向けて計画的に先取り貯金を検討するといいでしょう。

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出所:金融庁「投資の基本」

出所:金融庁「投資の基本」

すでに40~50歳代の方の場合は、現役世代のうちに収入を増やして、貯蓄額を増やすことができないか検討してみましょう。

妻が専業主婦の家庭の場合、パートで働きはじめるなどすることで大きな収入アップにつながります。

夫も副業を行ったり、65歳の定年退職後にも、仕事を続けられるようなセカンドキャリアを検討することも有効でしょう。

少しでも余裕がある老後の生活を送るために、ご家庭でできる貯蓄額を増やす方法を実践してみましょう。

まとめにかえて

日本では、60歳代の方々のうち、5世帯のうち1世帯は貯蓄4000万円以上を達成しています。

自分たちの現在の貯蓄額をチェックし、60歳代までにどのくらいお金を貯めることができるか試算してみましょう。

そして、ゆとりがある老後の生活をイメージしながら、「時間」を有効活用したり、家庭の収入を増やしたりと、仕事のリタイアまでに貯蓄を増やす方法を検討してみましょう。

参考資料

下中英恵FP事務所 下中 英恵