65歳以上のリタイア世帯はどのくらい
改正高年齢雇用安定法が2021年(令和3年)4月から施行されたことにより、65歳までの雇用確保の義務、70歳までの就業確保の努力義務など、企業で働ける環境が整ってきています。
65歳でリタイアする人、65歳以上も働き続けている人の割合はどのようになっているのでしょうか。
総務省の「労働力調査年報」のデータで、65歳以上の年代別の人口に対して実際に働いている人(就業率)の割合を確認してみましょう。
65歳以上の就業率
- 男性:「65歳~69歳」(60.4%)「70歳以上」(25.6%)
- 女性:「65歳~69歳」(40.9%)「70歳以上」(12.6%)
これより、65歳~69歳の男性の4割、70歳以上は約7割がリタイアすることがわかります。
また、女性は65歳~69歳になると6割、70歳以上になると約9割がリタイアするようです。
65歳以上の夫婦世帯の貯蓄額はどのくらいか
次は、世帯主が65歳以上の夫婦世帯の貯蓄状況をみていきましょう。
参考にするのは、金融中央広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査」(2022年)です。
このデータでは、65歳での区切りがないため、60歳以上で確認することにします。
60代・70代夫婦世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
夫婦世帯のうち世帯主が60歳以上の金融資産保有額の中央値は、60代が700万円、70代が800万円です。
先述の就業率のデータでは、65歳~69歳の男性の4割がリタイアするという結果でした。
一方、60代夫婦世帯の4を占める金融資産保有額は1000万円以上の「8.6%+5.7%+8.8%+20.3%=43.4%」となります。
これより、余裕資金が1000万円以上あれば、年金をもらいながら悠々と暮らすことを選べるのかもしれません。
一方、70歳以上の場合では、男性の約3割がリタイアしますが、金融資産を1000万円以上保有する人は「10.3%+7.1%+10.0%+18.3%=45.7%」と60代とほぼ同じ割合です。
70歳以上で働く方というのは、規則正しい生活を送るためや、社会とのつながりを持つためなど、お金以外の価値に魅力を感じているのかもしれません。
参考までに、金融資産の内訳も確認しておきましょう。