7. 老後に向けた資産づくり「3つのポイント」とは

ここまで厚生年金の年金額について見てきました。「月額平均14万円」とはいえ、ひとりひとりが実際に受け取る金額には大きな個人差があります。また、公的年金だけで老後を乗り切れる世帯は決して多くはないでしょう。

そこで考えたいのが「年金以外にどう老後資産を準備するか」という点ですね。ここからは、老後に向けて資産を準備する上で、非常に大事なポイントを3つ紹介します。

7.1 ポイント1「ゴールを知る」

1つ目は、「ゴールを知ること」です。

自分自身が望む老後を過ごすために必要な資金はいくらでしょうか?このままいくと、自分自身は将来いくらの年金を受給できるのでしょうか?

老後2000万円問題はあくまで一例に過ぎません。持ち家か賃貸か、会社員か自営業か、人や状況によって千差万別です。

いかに老後を自分ごとと捉えて、準備をしてきたかで決まるといっても過言ではありません。

7.2 ポイント2「いかに早く取り組むか」

2つ目は、「いかに早く取り組むか」です。

時間は待ってくれません。後ほど紹介しますが、将来資金を作り出すためには長い時間をかけることが非常に重要です。
たった1年、2年の差が後々非常に大きな差になることだってあります。

7.3 ポイント3「積立投資を活用する」

3つ目は「積立投資を活用すること」です。

上手に効率よく資産を増やすためには、「積立投資の活用」を検討してみて下さい。たとえば、「毎月3万円を30年間」貯蓄した場合を例にあげます。

《預貯金で貯蓄した場合》

  • 1080万円 (3万円×12カ月×30年)

※利子や税金は考慮しないものとします

《積立投資で貯蓄した場合》

  • 2496万円

※想定利回り:年率5%の場合

同じ金額を同じ期間貯蓄するだけでも、効果の違いは歴然です。長期間運用することによって、複利の効果も重なって非常に大きな差となります。

8. まとめにかえて

今日は、厚生年金の「ピンキリ」受給額事情に触れたあと、老後に向けた資産づくりのポイントをお伝えしました。

老後の年金額は人それぞれ。まずは自分がどのくらい年金を受け取れそうか「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で把握しましょう。老後資金を準備する上でのゴールが見えてくるかも知れません。

預貯金にプラスして資産運用を取り入れるのも一案です。世帯のライフスタイルに合う「お金の育て方」を見つけていきましょう。

参考資料

荻野 樹