ライフイベントにかかる人生三大支出とは
日本人の平均貯蓄額を確認してきましたが、平均と中央値の差が大きく、世帯差がひらいていることがわかりました。
人生三大支出といえば「住宅資金」「教育資金」「老後資金」と言われ、それぞれまとまった金額になります。
一朝一夕では準備できないので、事前に必要な金額を把握しておく必要があります。一つずつ確認してみましょう。
人生三大支出1.住宅資金
2022年8月2日に公表された住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査 」によると、住宅購入の所要資金は、全国平均で注文住宅で3572万円、土地付注文住宅で4455万円、マンションで4528万円です。
ただし、購入する地域や広さによって、所要資金は大きく変動します。
同報告書によれば、所要資金は基本的に年々増加しています。
人生三大支出2.教育資金
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査の結果を公表します 」によると、幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間の、各学年の学習費総額の合計は以下のとおりでした。
すべて公立の場合を見てみましょう。
幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間の、各学年の学習費総額
- 公立幼稚園:47万2746円
- 公立小学校:211万2022円
- 公立中学校:161万6317円
- 公立高等学校(全日制):154万3116円
総額:574万4201円
上記に加えて大学などの進学費用が必要となります。大学費用は日本政策金融公庫「令和3年度教育費実態調査」より、入学費用と在学費用で計算すると以下の通り。
- 国公立大学:481万2000円
- 私立大学文系:689万8000円
- 私立大学理系:821万6000円
※受験費用(受験したすべての学校・学部の受験料や受験のための交通費・宿泊費)や学校納付金、入学しなかった学校への納付金なども含む。
すべて公立でも1000万円を超えます。ただし、学校によって教育資金が大きく変動する点にご留意下さい。
人生三大支出3.老後資金
2019年6月3日に公表された金融審議会市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」によると、高齢夫婦無職世帯で必要な老後資金は20年で約1300万円、30年で約2000万円でした。
しかし、「この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる」とあるように、実際には各世帯によって老後資金の金額は大きく変動します。
人生三大支出の金額は一つずつみても金額が大きく、家計を見直して貯蓄習慣をきちんとつけることが重要となるでしょう。