2023年度の年金額はインフレの影響を受けて引き上げとなったものの、年金制度の仕組み上、インフレ率よりも少ない引き上げ幅となりました。

年金は老後の暮らしを支えるために欠かせない存在です。では、厚生年金を月に20万円以上受け取れる「うらやましい人」はどの程度いるのでしょうか。

本記事では、厚生年金を月20万円以上受け取る人の割合と、月20万円以上受け取るために必要な年収を紹介するので参考にしてみてください。

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1. 厚生年金と国民年金とは。公的年金制度の仕組みを確認

厚生年金とは、会社員や公務員などが加入する年金です。

自営業者や専業主婦(夫)が国民年金のみに加入するのに対し、会社員や公務員は国民年金と厚生年金に加入します。

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出所:厚生労働省「日本の公的年金は「2階建て」」

出所:厚生労働省「日本の公的年金は「2階建て」」

2021年度末で、国民年金のみに加入する人は2194万人、厚生年金に加入する人は4536万人です。

厚生年金に加入する会社員や公務員は、自営業者や専業主婦(夫)と比べて、一般的に受け取れる年金が多額になります。

2. 厚生年金受給者の平均年金受給額はいくらか

厚生年金を受給する人の平均年金受給額はいくらなのでしょうか。

第1号厚生年金被保険者(民間企業に勤める人)の平均年金受給額は以下のとおりです。

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出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

2.1 厚生年金の平均額の推移

  • 2017年度:月額14万7051円
  • 2018年度:月額14万5865円
  • 2019年度:月額14万6162円
  • 2020年度:月額14万6145円
  • 2021年度:月額14万5665円

一人あたりの年金受給額の平均なので、夫婦合計の世帯年金受給額はさらに増えます。

ただ厚生年金は加入状況や収入により差があるため個人差が大きくなっています。

3. 厚生年金「うらやましい月20万円以上」の受給者の割合とは

では、厚生年金受給者で月20万円以上の年金を受給している人はどの程度いるのでしょうか。

第1号厚生年金被保険者(民間企業に勤める人)の年金受給額の分布は以下のとおりです。

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出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

  • 月額5万円未満:38万8575人(2.4%)
  • 月額5万円以上10万円未満:336万1204人(20.8%)
  • 月額10万円以上15万円未満:497万6556人(30.8%)
  • 月額15万円以上20万円未満:495万2516人(30.6%)
  • 月額20万円以上25万円未満:223万4558人(13.8%)
  • 月額25万円以上30万円未満:25万2220人(1.6%)
  • 月額30万円以上:1万4816円(0.1%)

月額20万円以上の年金を受給する人は、全体の15.5%です。

厚生年金受給者の約6.5人に1人が月額20万円以上の年金を受給しています。かなり少数であることがわかります。

4. 月20万円以上の年金を受給するために必要な年収はいくらか

厚生労働省「公的年金シミュレーター」をもとに試算すると、月20万円以上の厚生年金を受給するために必要な年収の目安は、約730万円です。

1990年生まれの人が、23歳から64歳まで平均年収730万円で働いた場合、65歳から月に約20万円の年金を受給できます。

日本人の平均給与が443万円なので、平均よりもかなり高い水準の収入が必要です。

また、受給開始時期を遅らせれば、月額受給額を増やすこともできます。

たとえば、70歳から受給を開始すれば、23歳から64歳まで平均年収410万円で月20万円の年金の受給が可能です。

もちろん、生活が苦しいのに無理に受給開始を遅らせることはおすすめしませんが、受給額を増やせば、生きている限り同額を受給し続けられるので、余裕のある方は検討するのもいいでしょう。

※いずれも厚生労働省「公的年金シミュレーター」にて試算

5. まとめにかえて

厚生年金受給者で月20万円以上の年金を受け取る人の割合は15.5%でした。

月20万円以上年金を受け取れる人は約6.5人に1人と少数派であると言えるでしょう。

また、年金受給開始を遅らせれば年間受給額は増えますが、現役時代に年収が低かった人ほど老後の生活に余裕がない場合が多く、受給開始時期を遅らせるのは難しいでしょう。

とはいえ、どこかで努力や工夫をしなくては金銭的に豊かな老後は手に入りません。

「現役時代に副業や転職をして、少しでも年収をあげる」「人よりも節約して資産を蓄える」「60歳以降も長く働いて受け取れる年金を増やす」「年金の受給開始を遅らせる」など、老後に備える方法はさまざまです。

できるだけ早く老後に向き合い、老後の準備を計画的におこないましょう。

参考資料

苛原 寛