「老後2000万円問題」や「人生100年時代」という言葉が報じられる中で、老後の生活に不安を持つ方も多いでしょう。
最近では、おひとりさまで老後生活を迎える人も少なくありません。
日本の高齢者のおひとりさまの状況や、老後を迎える前の40~50歳代の貯蓄、おひとりさまが必要になる老後資金などを解説します。
増え続ける老後おひとりさま世帯。40~50歳代が老後を迎える頃には
最近、老後をひとりで暮らす高齢者世帯が増え続けています。
内閣府「令和4年版高齢社会白書」によると、1980年には65歳以上で一人暮らしの人の数は約88万人でした。
一人暮らしの者の65歳以上人口に占める割合は、女性が11.2%、男性が4.3%に過ぎませんでした。
しかし、2020年には女性約440万人、男性約230万人の合計約671万人、高齢者人口に占める割合は女性22.1%、男性15.0%と大幅に増加しました。
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出所:内閣府「令和4年版高齢社会白書 3.家族と世帯」
高齢化の進行に加えて、ライフスタイルの近代化や核家族化の増加が背景にあると見られ、老後をひとりで暮らす高齢者世帯は今後ますます増加すると予想されています。
内閣府の予測によれば、2040年に女性約540万人、男性約360万人で合計約896万人、高齢者人口に占める割合は女性24.5%、男性20.8%です。
現在、40~50歳代の人が高齢者になる頃には、女性の4人に1人、男性の5人に1人が「おひとりさま」の高齢者です。
40〜50歳代「おひとりさま」の貯蓄はいくらか
高齢女性の4人に1人、高齢男性の5人に1人が「おひとりさま」になると予想される2040年ですが、現在の40~50歳代もそのころ高齢者となります。
40歳代、50歳代のおひとりさまはどれくらいの貯蓄があるのでしょうか。
40歳代のおひとりさまの貯蓄はいくら?
2022年2月14日に公表された金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」によると、40歳代のおひとりさまの平均貯蓄額は818万円です。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにLIMO編集部作成
しかし、より実態を反映している中央値は92万円と100万円を下回り、半数以上の世帯は平均を下回っています。
貯蓄ゼロの世帯が35.7%もあることから、一部の世帯の貯蓄が多いことが分かります。
50歳代のおひとりさまの貯蓄はいくら?
同調査によると、50歳代のおひとりさまの平均貯蓄額は1067万円で、40歳代のおひとりさまの平均貯蓄額より249万円増加しています。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)各種分類別データ」をもとにLIMO編集部作成
一方で中央値は130万円と38万円の増加にとどまり、貯蓄ゼロの世帯が35.7%もあることから、経済格差がより大きくなっていることが分かるでしょう。
【おひとりさま】老後の生活費の不足額と対策とは
現在、40~50歳代のおひとりさまは10~20年後に高齢者になります。
高齢者になった老後はどのくらいの資金が必要になるのでしょうか。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」によれば、65歳以上・高齢無職単身世帯の消費支出の平均は以下のとおりです。
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出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」
65歳上の単身無職世帯の月の家計収支
実収入:13万5345円(うち社会保障給付12万470円)
支出合計:14万4747円
- うち消費支出:13万2476円
- うち非消費支出:1万2271円
不足分▲9402円
不足分は基本的に貯蓄で補填する必要があり、その毎月の赤字額を20年間で計算すると約225万円、30年間で約338万円です。
ただし、上記の金額は平均の不足額を参考に計算しているので、個人の収支の状況や生活スタイルによって実際の不足額は大きく変動します。
たとえば年金の受給額は加入している年金や加入状況によって異なるでしょう。また持ち家が想定されているため、賃貸の場合はさらに支出がかかることになります。
40~50歳代から老後に必要な金額の計算を。新NISAも確認
ライフスタイルの近代化や社会構造の変化によって、老後をおひとりさまで迎える人は増加しています。
人生100年時代と言われる長寿社会では、老後の長い期間を貯蓄を取り崩しながら生活する必要があるでしょう。
老後を迎える前に、まずは毎月の収入や収支から必要となる老後資金を計算し、その金額を貯蓄することを目指すようマネープランを立てるといいでしょう。
また、自民・公明両党が2022年12月16日に公表した「令和5年度税制改正大綱」では、新NISAについてとりまとめられています。
それによれば、2024年よりNISA制度が以下になる予定です。
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出所:金融庁「新しいNISA」
2024年以降の新NISA制度
「成長投資枠」
- 年間投資上限額:240万円
- 非課税保有期間:無期限
「つみたて投資枠」
- 年間投資上限額:120万円
- 非課税保有期間:無期限
非課税保有限度額(総枠):1800万円(うち成長投資枠1200万円)※枠の再利用が可能
新NISAは非課税投資枠が拡大し、非課税保有期間も無期限となっています。
運用はリスクがありますが、貯蓄の一部に取り入れることで老後資金に備えやすくなる部分もあります。
このような新たな制度についても情報収集し、検討してみてはいかがでしょうか。
参考資料
LIMO編集部
