公的年金から天引きされるもの2.介護保険料

65歳以上の介護保険料は、住民税の課税状況と収入で金額が決まる仕組みです。練馬区の介護保険料は17段階に分かれています。

この例の場合、第6段階の「本人が特別区民税課税で、前年の合計所得金額が125万円未満の方」に該当し、保険料年額は8万4840円です。

合計所得金額とは、公的年金の収入金額から公的年金等控除額を差し引いた金額で、その他の所得控除前の金額です。

公的年金から天引きされるもの3.住民税

住民税は市町村民税(特別区民税)と道府県民税(都民税)の合計で、それぞれに所得割と均等割があります。

練馬区の2023年までの均等割額は5000円で、所得割額は「課税総所得金額等×10%」です。

基礎控除以外の控除がない場合、所得割額は1万5000円(15万円×10%)となり、住民税の合計は2万円(5000円+1万5000円)です。

公的年金から天引きされるもの4.所得税

年金収入が168万円の場合、公的年金等に係る雑所得の金額は収入金額から110万円を差し引いて求めます。この例の場合、さらに社会保険料控除と基礎控除(48万円)を差し引けます。

社会保険料控除をこの例で計算した15万4300円とすると、控除額が173万4300円と年金収入を超えるため、所得税はかかりません。

厚生年金の平均額14万円の手取りは約12万5000円

以上の結果から、年金の額面から差し引かれる税金と社会保険料の合計は年額17万4300円となりました。

公的年金の収入金額から差し引くと年間の手取りは150万5700円、月額は12万5475円です。額面の約90%という結果になりました。税金より、国民年金保険料、介護保険料の負担が大きいことがわかります。

国民年金保険料や住民税額は、Webサイトで試算できる市区町村もあります。わからないことは担当部署に問い合わせてみましょう。