現在は多くの人が公的年金だけで老後の生活費をまかないきれません。年金生活になっても住宅ローンが残っていると、状況によっては老後破綻につながりかねないでしょう。

しかし、住宅ローンを長めに組み、60歳代で住宅ローンの返済をしている人も少なくありません。

今回は60歳代の住宅ローンの残債のデータを紹介し、無理のない見直しについて解説します。

60歳代で住宅ローンが残っている人の割合は?

以下は金融中央広報委員会の「家計の金融行動に関する世論調査2021年」から、60歳代で何らかの借入金額があると回答した世帯の住宅ローン残高の分布です(60歳代で借入がある人の割合は15.7%)。

この調査の住宅ローン残高の平均額は661万円で、中央値は200万円でした。

【60歳代の住宅ローン残高】

出所:金融広報中央員会「家計の金融行動に関する世論調査2021年」より筆者作成

借入がある人のうち住宅ローンが1000万円以上残っている人が25.0%と、60歳代で住宅ローンが残っている人の中には、1000万円以上の残債がある人も一定数いました。