年金が最大184％まで増える「繰下げ受給」の落とし穴。老後に気づくのでは遅い！ 老後に向けた「年金・貯蓄」プランは早めの準備を

2. 老後に気づくのでは遅い！「年金額を上げるデメリット」とは

繰下げ受給で年金額を増やすと、税法上の「所得」が増えることに繋がります。日本は「累進課税制度」をとっていますから、年金を増やすとこれらの金額も上がるのです。

なお、一定以上の所得があると保険料だけでなく、医療費の自己負担割合も上がってしまう恐れがあります。

たとえば医療費の自己負担割合をみてみると、70歳以上は原則2割負担。75歳以上は原則1割負担となっています。
ただし、一定以上の所得がある場合は最大3割まで自己負担が増えます。自己負担割合が変更になる目安の所得をみてみましょう。

 

• 1割負担‥課税所得28万円未満
• 2割負担‥課税所得28万円以上（年金収入＋その他の合計所得が単身で約200万円以上、複数で320万円以上）
• 3割負担‥課税所得145万円以上（同じく単身で約383万円以上、複数で約520万円以上）

なお、医療費だけでなく介護サービスを受ける際の自己負担割合についても同じことがいえます。

医療費や介護サービス利用費が1割から2割や3割になるということは、自己負担額が2倍・3倍になるわけです。限られた年金収入でやりくりする必要がある老後の世帯にとって、看過できない点であるといえるでしょう。