年度の切り替えに、転職を予定している方もいるのではないでしょうか。また公務員等は、次の3月に一斉に定年退職を迎えます。
退職時やサラリーマンから個人事業主へ転身した際に、思わぬ住民税の高さに驚いた経験がある人も、少なからずいるでしょう。
中には、もしかして私が住んでいる自治体は住民税が高いのでは?と考える人もいるかもしれません。
結論からお伝えすると、住民税はどの自治体でもほぼ税率は変わりません。高いのでは?と感じてしまうには、理由があります。
本記事では、住民税についてなぜ高く感じてしまうのか?という点も含めて紹介しています。
自治体からの請求書をみて愕然とした経験がある方は、ぜひ記事内容をご確認ください。
個人住民税はどの自治体でも同じ税率
個人にかかる住民税の税率は、基本的に全国どこの自治体でも同じです(一部、標準税率ではない税率を使用している市町村もあります)。
したがって、うちの住民税は高い、という認識はほぼ誤解です。
所得割1/3
出所:総務省「個人住民税」より筆者作成
住民税を算出するための税率は所得割に採用されており、一律10%に定められています。
つまり、引っ越ししたら税金が高くなった、という事はほぼありません。
住所が変わって住民税が高くなったと感じる人は多いようで、自治体のホームページにも同様の疑問が「よくある質問」に掲載されているのが散見されます。
住民税が高く感じてしまうのはなぜ?
それでは、なぜ自治体によって住民税の納付金額に違いがある、という誤解が生まれてしまうのでしょうか。
考えられる原因を2点、ピックアップしてみました。
国民健康保険と勘違い
国民健康保険料は住民税と異なり、自治体ごとに納付金額が異なります。
国民健康保険料は、所得割・資産割・均等割・平等割の4つの割賦基準を組み合わせて算出されます。
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出所:厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」
金額の差は、自治体ごとの税率や選択方式の違いによるものです。
高齢者が多いなどの理由で、都道府県の標準税率に従ってしまうと、国民健康保険の財政が破綻してしまう自治体もあります。
その場合、赤字を回避するために、加入者の負担を増やして調整しているのです。
住民税が高く感じてしまう誤解は、国民健康保険料の思わぬ高さによる驚愕のイメージが、住民税にも置き換えられているのかもしれません。
普通徴収への移行タイミングで誤解してしまう
会社勤め時の住民税は、特別徴収によって毎月給料から天引きされるケースが多くみられます。
毎月知らない間に引かれ税引き後の給料が明細書に記載されるため、さほど高さを感じる事は少ないですが、退職後に普通徴収となり、期ごとの請求に切り替わると思いの外高く感じる人も多いのではないでしょうか。
引っ越しのタイミングが重なれば、自治体が変わったせいで高くなったと誤解してしまう可能性も高まります。
また、天引きでなく自分で納税するとなると負担感が増すため、余計に高いと感じてしまう人も少なからず存在するでしょう。
住民税の仕組みと徴収時期
住民税は、前年の収入をもとに算出され、決定した納付額は6月に通知されます。
したがって、その年の住民税は6月から支払うことになります。
所得税は、その年の間に精算されますが、住民税は翌年になる点に注意が必要です。
退職して収入がない場合は、所得が下がった場合でも、前年の収入に応じた住民税が請求されます。
住民税には、所得額に応じて課税される所得割と、所得金額に関係なく定額で課税される均等割があります。
所得割
基本的には所得税と同じ計算方法です。税率は全国ほぼ一定の10%で、内訳は、道府県民税4%、市町村民税6%となっています。
均等割
均等割は、すべての課税対象者一律で市町民税3500円、道府県民税1500円、あわせて年間5000円です。環境保全のための環境税として、300円〜1200円程度上乗せする自治体もあります。
普通徴収の場合、6月の半ばごろに自治体から通知が届きます。
おおよその納付額の予想ができていない人は、通知の納付額を見た時点で愕然とするかもしれません。
しかも、支払いはすぐにスタートしますので、気持ちに与える衝撃度はそれなりに大きなものとなるでしょう。
住民税について調べてみると、納付額をやたら高く感じてしまうのもうなずける背景を読み取ることができます。
住民税が地域で変わることはほとんどない
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umaruchan4678/shutterstock.com
住民税の税率は、どの自治体でもほぼ同じ税率です。大きく変わることはありません。
住民税が高く感じてしまう背景には、国民健康保険との混同や、普通徴収への切り替わり、請求タイミングなどが挙げられます。
退職後、次の仕事が決まっていない状態で送られてくる住民税の納付通知書をみると、多くの人が高いと感じてしまうのではないでしょうか。
生活状況が悪化し住民税が払えなくなった場合は、自治体へ相談すると分割納付に応じてくれるケースがあります。
ただし、よほどのことがない限り、免除にはならない点には注意が必要です。
参考資料
LIMO編集部
