日銀の政策修正と住宅ローン金利の展望
日銀の政策修正は、住宅ローンの金利にどのような影響を与えるのでしょうか。
日銀が従来の政策を修正したことで、「住宅ローンの金利が上昇するのか」に注目が集まっています。
住宅ローンの金利には「固定金利」と「変動金利」があります。
金利の種類によって、今回の日銀の決定が及ぼす影響が異なる可能性があります。
固定金利は早くも影響が出ている
固定金利は、10年国債金利を参考に決定されています。
日銀の発表後、10年国債金利は1日で上限0.5%に到達しました。
大手銀行は、長期金利上昇を踏まえ、2023年1月から適用する住宅ローンの固定金利の引き上げを発表しました。
住宅ローンを固定金利で借入すると、今後は家計負担が増える可能性があります。
全体の7割を占める変動金利への影響は先か
2022年11月14日に公表された国土交通省「令和3年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」 によると、2020年度は変動金利型を選んだ人が全体の7割でした。
多くの住宅ローン利用者が気になるのは変動金利の上昇かもしれません。
変動金利の指標となるのは、短期金利です。
日銀は2016年9月20日の金融政策決定会合で、短期金利について、「日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する 」と決定しました。
短期金利は、マイナス金利政策が維持されているので、変動金利は直接影響を受けません。
固定金利が上昇する一方で、変動金利は変動が小さいので、変動金利の利用者が増えると予想されます。