2023年がスタートしました。新たに習い事を始めたり、資格獲得を目標に掲げる人もいることでしょう。

子どもの世界では、目標に掲げやすい「習い事や資格」は家庭の経済格差によりチャンスに差がでやすくなります。

なんとか子どもに何かしらの目標を持って欲しいと願っていても、学校外で様々な経験をさせるにはお金が必要になってきます。

昨年秋から相次ぐ値上げラッシュは、子育て世帯に大きな打撃となり、教育費を捻出することも簡単ではありません。

こうした厳しい経済状況の中で、学力格差を懸念する声もあります。経済格差を乗り越え、子どもの成長を促せる目標や方法を考えていきます。

経済力と大学進学率

経済格差は学力格差、そして学歴差を生み出すと言われています。

内閣府が発表した「令和3年度子供の貧困の状況及び子供の貧困対策の実施の状況」によると、生活保護世帯に属する子どもの大学進学率は39.9%(令和3年4月1日現在)です。

1/3

出所:内閣府「令和3年度子供の貧困の状況及び子供の貧困対策の実施の状況」

同調査の過去のデータを踏まえると、大学進学率は年々上がってきています。

しかし、文部科学省の「令和3年度学校基本調査」による18歳人口の大学進学率54.9%に比べると、まだ差があります。

子どもに学ぶ意欲があっても、家庭の事情で進学を断念せざるを得ない子どもは少なくありません。

それと同時に、経済的に厳しい家の子は家庭の状況を察知し「どうせ大学に行けない」「勉強していても進学できないから諦める」と意欲が湧きにくくなります。

意欲低下は成績不振を招くだけでなく就職時に有利な資格所得や、職についてからのやる気など将来にわたって悪影響を及ぼすものです。

日々の生活で子どもの意欲の芽を潰さないよう意識してください。

学校での活躍やテストの点数が上がったことなど、日頃から子どもに「結果が出たね」「頑張っているね」と努力を褒める言葉をかける。

目標を掲げる前に、親の方も接し方を見直していくことも大切です。

経済格差と学力格差を乗り越える

「余裕がないと子どもに色々と経験を積ませることができない」「塾などに通わせないと学力差が広がるのではないか」と不安になるのも当然です。

少子化の影響もあり、習い事では乳幼児を対象にしたスクールも開校されている時代です。

就学前から習い事をしている、という話が耳に入る機会も少なくありません。

経済力があれば子どもに音楽やスポーツ、学習系など様々なジャンルの習い事をさせることができます。

しかし、家計に余裕がないことを理由に「経験を積むチャンスがない」と諦めないでください。

お茶の水大学が発表した「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の 専門的な分析に関する調査研究」では、「平成29年度全国学力・学習状況調査の結果及び保護者に対する調査」を基に、子どもの学力と家庭の蔵書数(漫画や雑誌、教科書、参考書、子供向けの本は除く)の関連性を指摘しています。

小学6年生の国語と算数、中学3年生の英語と数学の成績は家庭の蔵書数が多ければ多いほど点数が高いことが分かりました。

学力が高いと蔵書数が高くなるという可能性もありますが、相関関係は注目すべき点です。

本を購入するのはお金がかかるが

2/3

diignat/shutterstock.com

常日頃から本が身近にあり、本に親しんでいる子は自然と様々な知識を増やしていき、学力向上につながっていると考えられます。

本を買うのはお金がかかりますが、自治体の図書館を利用すれば無料で本に親しむことができます。

親子で図書館に行ったり、本を借りて常に家に本がある状態を作るなど、家計が厳しい家庭でも本に親しむ環境を作ることができます。

また、手元に置いておきたい学習漫画などは新品より安く買うことができます。

「塾に通わせられないし成績アップはムリ」と思わず、本を通じて基礎学力や本人の知的好奇心を刺激していきましょう。

お金をかけていても、自発的な学びが芽生えるとは限りません。

本は子どもの視野を広げ、子どものやりたいことを見つける手だてにもなります。

今年は昨年以上に積極的に本を手に取らせてみるなど、親子で読書を楽しんでみてください。

子どもの得意分野は意欲増進につながる

3/3

milatas/shutterstock.com

経済格差と学力格差が指摘されていますが、子どもの世界では、家庭の家計に関係なく何かに秀でていると注目を集めるものです。

今の学校教育では親世代よりもアクティブラーニングが重視され、グループでの学びが増えています。

そうした活動の中で表をまとめたり、司会進行が得意、またはイラストを描ける子などは、一目置かれる存在になります。

普段は自信なく過ごしていても、「子どもの得意なこと」を伸ばして学校生活や学校外で活躍できる場を見つけると、子どもは目標を持つようになります。

「勉強じゃないけれど」と不安に思うかもしれませんが、自信を持つことで子どもが様々なことにチャレンジしたり意欲が増すきっかけになります。

経済力がある方が何かと強いですが、全てがお金で解決するわけではありません。日頃から親子の会話を重ねて、新たな年に新しい目標を決めてみてはいかがでしょうか。

参考資料