4. 65歳以降・リタイア世帯「毎月の収支は赤字」
先ほどの資料から65歳以上・無職世帯のひと月の収支が1万8525円の赤字だとわかりました。
年金収入が21万円では足りないという結果ですが、支出の内訳も確認しましょう。最も割合が高いのは「食費」です。昨今の物価上昇を考えると更に上昇している可能性もあります。
住居費が1万6498円となっていますが、この数字は持ち家世帯を含めた平均額となっているため賃貸の場合には上ブレることに注意が必要です。
その他にも、65歳となると介護や保健医療費などにも気を配る必要があります。今後は社会保険料や税金など「非消費支出」の割合が増える可能性も十分考慮する必要があるでしょう。
6. まとめにかえて
ここまで65歳以上の「リタイア世帯」の貯蓄や生活費にスポットをあてて確認を行いました。
貯蓄額にもバラつきがありましたが、モデル世帯では毎月の収支が赤字になるなど厳しい現実があるようです。
働くという選択肢もありますが、いつまで働けるかは色々な環境に左右されてしまいます。収入の柱である公的年金だけで足りない場合には対策や準備が必要です
例えばiDeCoやNISAなどの資産運用に目を向けるのも良いでしょう。金融資産の内訳を少し変えるだけでも低金利の日本では魅力的なリターンを得ることが出来るかもしれません。
もちろんリスクもありますが、まずは情報収集などを行い自分に合った方法を探してみることが大事です。お金に無関心でいると思わぬチャンスを逃してしまうかもしれません。
何をするにも早めの行動が成功のポイントです。しっかりと準備をして様々な変化にも対応していきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」
- 厚生労働省「令和3年版高齢社会白書」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」
- 日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
徳原 龍裕