2023年になり、今年もさまざまな商品の値上げが発表されています。
年金生活になったとき、こうした値上げに不安になることがないよう、できれば「月平均で20万円以上」の厚生年金を受給したいと考える方もいるのではないでしょうか。
しかし、年金を20万円以上受け取るのは簡単なことではありません。
厚生年金は現役時代に納めた保険料や加入期間で決まりますが、その保険料は報酬比例制なのです。
そこで、今回は「月平均で20万円以上の厚生年金」を受け取るのに必要な年収を試算してみます。
※本記事で紹介する厚生年金の金額には、国民年金の金額が含まれます。
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1. 「厚生年金」最新の平均は14万3965円
まずは、現在の厚生年金の受給額事情を知っておきましょう。
厚生労働省は2022年12月、「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を公表しました。
こちらによると、2021年度末時点での厚生年金(第1号)の受給権者数は1618万445人、平均受給額は月額14万3965円となっています。
こう見ると、厚生年金を20万円以上受け取れるのは「平均より少し上のライン」と感じるかもしれません。
しかし、実は20万円以上の人は多くないのです。男女別に確認してみましょう。
2. 厚生年金の受給額を男女別に深掘り
同じく厚生労働省の「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金を20万円以上受給する割合を男女別に確認してみます。
2.1〈男性〉厚生年金の受給額(1万円ごとの人数分布)
- ~1万円未満 7万366人
- 1万円以上~2万円未満:1万4136人
- 2万円以上~3万円未満:5875人
- 3万円以上~4万円未満:1万580人
- 4万円以上~5万円未満:3万1646人
- 5万円以上~6万円未満:7万694人
- 6万円以上~7万円未満:17万8892人
- 7万円以上~8万円未満:26万5042人
- 8万円以上~9万円未満:25万7224人
- 9万円以上~10万円未満:28万4196人
- 10万円以上~11万円未満:35万8936人
- 11万円以上~12万円未満:44万6960人
- 12万円以上~13万円未満:52万9551人
- 13万円以上~14万円未満:62万4724人
- 14万円以上~15万円未満:72万5289人
- 15万円以上~16万円未満:81万5769人
- 16万円以上~17万円未満:90万3637人
- 17万円以上~18万円未満:96万5471人
- 18万円以上~19万円未満:95万3315人
- 19万円以上~20万円未満:88万9人
- 20万円以上~21万円未満:75万1043人
- 21万円以上~22万円未満:57万7586人
- 22万円以上~23万円未満:39万8787人
- 23万円以上~24万円未満:26万7701人
- 24万円以上~25万円未満:17万8056人
- 25万円以上~26万円未満:11万2141人
- 26万円以上~27万円未満:6万7929人
- 27万円以上~28万円未満:3万9296人
- 28万円以上~29万円未満:1万9670人
- 29万円以上~30万円未満:9237人
- 30万円以上~:1万4455人
2.2〈女性〉厚生年金の受給額(1万円ごとの人数分布)
- ~1万円未満 2万9276人
- 1万円以上~2万円未満:6963人
- 2万円以上~3万円未満:5万519人
- 3万円以上~4万円未満:8万9784人
- 4万円以上~5万円未満:7万9430人
- 5万円以上~6万円未満:9万3183人
- 6万円以上~7万円未満:23万7418人
- 7万円以上~8万円未満:44万2558人
- 8万円以上~9万円未満:68万666人
- 9万円以上~10万円未満:85万1331人
- 10万円以上~11万円未満:77万7047人
- 11万円以上~12万円未満:59万523人
- 12万円以上~13万円未満:41万5686人
- 13万円以上~14万円未満:29万4029人
- 14万円以上~15万円未満:21万3811人
- 15万円以上~16万円未満:15万5836人
- 16万円以上~17万円未満:11万2272人
- 17万円以上~18万円未満:7万6925人
- 18万円以上~19万円未満:5万2191人
- 19万円以上~20万円未満:3万7091人
- 20万円以上~21万円未満:2万4351人
- 21万円以上~22万円未満:1万6322人
- 22万円以上~23万円未満:1万444人
- 23万円以上~24万円未満:6549人
- 24万円以上~25万円未満:3719人
- 25万円以上~26万円未満:2081人
- 26万円以上~27万円未満:1047人
- 27万円以上~28万円未満:488人
- 28万円以上~29万円未満:196人
- 29万円以上~30万円未満:135人
- 30万円以上~:361人
こうして眺めると、男女で特徴が異なることがわかります。
男性の平均は16万3380円で、ボリュームゾーンは17万円~19万円、女性の平均は10万4686円で、ボリュームゾーンは9万円~10万円です。
厚生年金を月平均で20万円以上受給できているのは、男性で22.5%、女性で1.23%のようです。
ここまで男女差が出るのは、厚生年金が現役時代の報酬によって決まることに要因があります。
20万円以上の厚生年金を受給できる人の年収を試算してみましょう。
3. 厚生年金を20万円以上受給できる年収はいくら?
厚生年金の受給額は、次のように計算します。
- 2003年3月以前:平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
- 2003年4月以降:平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
加入した年代によって計算方法が変わるため、ここでは2003年4月以降、厚生年金に38年間(456月)加入したケースで計算します。
また、国民年金(老齢基礎年金)は満額として78万円もらうと仮定します。
この場合、厚生年金単体では13万5000円、年額162万円です。
平均標準報酬額×5.481/1000×456=162万円
となるため、平均標準報酬額は約64万8000円となりました。
日本年金機構の「厚生年金保険料額表」によると、報酬月額63万5000円以上の方は、等級32である「標準報酬月額」65万円に該当します。
38年間の報酬月額が63万5000円以上(年収で762万円)であれば、厚生年金を月平均20万円見込めるということになります。
4. 年金事情は年々厳しく
厚生年金を20万円以上受給している人の割合や、見込める年収等を解説しました。
計算上では年収762万円で到達できる水準ではありますが、38年間を通して同じ水準の年収を稼ぐのは困難なことがわかります。
中には「若いうちは年収が低くても、年齢を重ねて年収を上げれば平均でそれぐらいになる」と思う方がいるかもしれません。
しかし、現在では厚生年金保険料表の上限が報酬月額63万5000円となっており、これ以上稼いでも保険料はあがらないのです。
年金だけで月収20万円を目指すのではなく、その他の貯蓄や資産運用、個人年金なども含めて、上手に老後の備えを行っていきたいですね。



