4. 世帯年収1400万円の年金額シミュレーション

さて、老後に受け取れる年金額は、現役時代の年金加入期間中を通した収入によって決まります。よって、「いま現在」の年収だけで試算することはできません。

そこで今回は、試算条件を限定してシミュレーションしてみましょう。ここでは、厚生労働省が試験運用中の「公的年金シミュレーター」を活用します。

4.1 試算条件

  • 40歳
  • 22歳~60歳まで正社員として勤務
  • 38年間の年収の平均は700万円(夫婦2人で1400万円)
  • 65歳から年金受給開始
  • 20歳~22歳の国民年金も含め、40年間未納期間なし

4.2 試算結果

出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」

このケースの場合、年金は年額で217万円でした。仮に夫婦ともにこの水準だった場合、ふたりの合算で434万円となります。

日本の平均年収は433万円とされていますが、夫婦2人分を合わせて、やっと現役世代の平均所得に到達できるレベルということです。

ただし、これまでの期間を通して年収700万円という試算が正しいとは限りません。今の年収が700万円であっても、初任給では400万円に届かなかった方もいるでしょう。

20代の年収を500万円、30代を600万円、40代を700万円、50代を800万円として試算したところ、年金年額は208万円になりました。

今の年収だけで判断せず、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などを駆使してシミュレーションするとよいでしょう。