5. 【富裕層マインド】その2. シンプルな生活環境を好む
筆者は銀行員時代に数々の超富裕層や富裕層のご自宅を訪問する機会が多くありました。そこで拝見したお宅の多くに共通していたのが、非常にものが少なくシンプルな生活環境である、ということ。
上質な家具と飾り、観葉植物が数種類といったところでしょうか。生き生きと育つ観葉植物をみると、生活だけではなく心も豊かなのだろうなと感じました。
5.1 「シンプルな暮らし」について筆者が思うこと
「シンプルな生活」と聞いて筆者がまず思い浮かべる1冊が、かつてベストセラーとして話題になった『フランス人は10着しか服を持たない』です(※)。
「倹約するから服の数が少なくて、いつも部屋がきれいです」といった話ではありません。
フランス人はまず「この服は自分に合ったものなのか」という考えを持つようです。自分に似合ったものしか着ない、という考え方があるため、流行に左右されず長く着たいと思うものを買います。
良質で自分に合った洋服が数着あればそれで充分だ、という発想ですね。
シーズンごとに洋服を買い替えてトレンドを追いかけ、たくさんの洋服を持っている人は確かにお洒落さんかもしれません。でも、その分お金はかかります。
良質で自分に合ったお気に入りの洋服が常にクローゼットにあれば、シーズンごとに買い替える必要はありません。また、その結果クローゼットの中も整理され、シンプルでミニマムな暮らしにもつながるでしょう。
先述の「欲しいもの」と「必要なもの」の選別に通ずる部分がありますね。この二つを区別していった結果、シンプルな生活にたどり着くといったところでしょうか。洋服に限らず、すべての消費行動に応用できそうです。
※ジェニファー・L・スコット著、神崎朗子訳『フランス人は10着しか服を持たないーパリで学んだ”暮らしの質”を高める秘訣― 』(単行本) 2014年 大和書房