年収600万円あれば裕福に暮らせる?

年収600万円の人の手取りは年間460万円程度、月々40万円前後になります。

ここでは、シングルの場合と扶養家族がいる場合の経済状況について見ていきましょう。

【年収600万円】シングルであればプチ贅沢も可能

まずは、一人暮らしをするのに平均していくらかかるのか総務省「家計調査報告家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」、および全国宅地建物取引業協会連合会・全国宅地建物取引業保証協会「一人暮らしに関する意識調査(2018年3月)」が公表しているデータを参考に見ていきましょう。

支出合計額 1カ月:19万2928円・年間:231万5136円

出所:総務省「家計調査報告家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」、および全国宅地建物取引業協会連合会・全国宅地建物取引業保証協会「一人暮らしに関する意識調査(2018年3月)」をもとに筆者作成

上記のように一人暮らしの場合、月に20万円程度あれば比較的ゆとりのある生活ができます。

年収600万円から税金や社会保険料を引き単純に手取りで試算すると、個人差はありますが月に40万円前後は使えると考えられるため、比較的裕福な暮らしを営めるでしょう。

東京都23区内の人気エリアの物件を借りたり、休日に外食をしたりすることも可能です。あるいは、洋服や趣味にお金をかけることもできるでしょう。

また、年に1〜2回の頻度で海外旅行に行くこともできるかもしれません。

ただし、衣食住全てにこだわると貯蓄ができなかったり、場合によっては赤字になるため注意が必要です。

【年収600万円】お子さんがいると生活に余裕がないという声も多い

世間的に見ると高収入の年収600万円ですが、お子さんがいると「生活に余裕がない」と感じる方が多いようです。

厚生労働省「2021年国民生活基礎調査」によると、児童のいる世帯の年間所得の平均額は813万5000円です。このうち雇用者所得は695万1000円です。

夫婦どちらかの収入だけではなく、共働き世帯が多いことから平均年収以上の世帯年収になっているでしょう。

出所:厚生労働省「2021年国民生活基礎調査」

同調査の生活意識の状況を参照すると、児童がいる世帯の約6割が生活が「苦しい」と感じていることが分かります。

出所:厚生労働省「2021年国民生活基礎調査」

お子さんがいると、シングル、もしくは夫婦2人暮らしの場合よりも広い住居が必要であったり、食費をはじめ各種生活費にお金がかかります。

その他にも、学用品代や習い事代、さらには大学や専門学校の進学費用が必要になることも多いです。

また、お子さんを私立の中高一貫校に進学させると年間100万円前後かかる場合があるため、年収600万円だと年間の生活資金が300万円台になる場合もあるでしょう。

こうしたことからも、世間的に高収入である年収600万円世帯であっても生活にゆとりを感じがたいのが現状です。