1年がはじまり、ご自身のキャリアを考える方も多いでしょう。
平均年収が400万円台の日本において「年収600万円」と聞くと、高収入といったイメージでうらやましいと感じる方もいるのではないでしょうか。
たしかに、年間の収入が600万円あればシングルの場合は余裕のある生活を営める傾向にあります。
一方、お子さんがいらっしゃる方の中には、教育費などで生活に余裕がないと感じるご家庭も多いようです。
本記事では年収600万円の人の割合を見た上で、年収600万円以上稼ぐ人の割合が高い業種や、年収が600万円台の人の生活実態について紹介していきます。
年収600万円以上稼ぐ人は全体のおよそ2割
国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査 」によると、日本人の平均給与は443万円(男性:545万円、女性:302万円)です。
そうした中で、年収600万円台(年収600万円超 700万円以下)の人は6.7%、年収600万円以上の人は21%です。
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出所:国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査 」
また、年収600万円台の人の割合は男女によっても差があります。
男性で「年収600万円超 700万円以下」の人は全体の9.4%です。参考までに、年収600万円以上の男性は全体の30%程度になります。
一方、女性で「年収600万円超 700万円以下」の人は全体の3%です。年収600万円以上の女性の場合、全体の7%台にとどまります。
年収600万円以上の割合が多い業種トップ5
前述のとおり年収600万円を得ることは容易でなく、年収600万円以上の人の割合は半数にも達していません。
年収600万円以上を見込めるのはどのような業種なのでしょうか。
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出所:国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査 」
同調査における「年収600万円以上の割合が多い業種トップ5」は以下のとおりです。
1位 電気・ガス・熱供給・水道業:年収600万円以上 66%(うち年収600万円台 14.7 %)
2位 金融業・保険業:年収600万円以上 44.6%(うち年収600万円台 9.0%)
3位 情報通信業:年収600万円以上 42.1%(うち年収600万円台 11.2%)
4位 複合サービス事業:年収600万円以上 34.2%(うち年収600万円台 15.3 %)
5位 製造業:年収600万円以上 30.5%(うち年収600万円台 9.5 %)
年収600万円以上の割合が多い業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」です。その後に、「金融業・保険業」、「情報通信業」と続いています。
電気やガスなどのインフラ系の業種は人々の生活の基盤を支える仕事です。景気に左右されにくく、安定した職種としても人気を集めています。
金融業や保険業も年収が高い傾向にあります。特に、メガバンクや大手保険会社に総合職として入社した場合、比較的若くして年収が1000万円に達する人も珍しくないようです。
また、情報通信業にはテレビ放送局や携帯電話会社、出版社、ソフトウェア開発会社、コンテンツ制作会社などが含まれます。
クリエイティブな作業が得意な人やものづくりが好きな人、トレンドに敏感な人たちからも人気の職業も多いです。
年収600万円あれば裕福に暮らせる?
年収600万円の人の手取りは年間460万円程度、月々40万円前後になります。
ここでは、シングルの場合と扶養家族がいる場合の経済状況について見ていきましょう。
【年収600万円】シングルであればプチ贅沢も可能
まずは、一人暮らしをするのに平均していくらかかるのか総務省「家計調査報告家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」、および全国宅地建物取引業協会連合会・全国宅地建物取引業保証協会「一人暮らしに関する意識調査(2018年3月)」が公表しているデータを参考に見ていきましょう。
支出合計額 1カ月:19万2928円・年間:231万5136円
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出所:総務省「家計調査報告家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」、および全国宅地建物取引業協会連合会・全国宅地建物取引業保証協会「一人暮らしに関する意識調査(2018年3月)」をもとに筆者作成
上記のように一人暮らしの場合、月に20万円程度あれば比較的ゆとりのある生活ができます。
年収600万円から税金や社会保険料を引き単純に手取りで試算すると、個人差はありますが月に40万円前後は使えると考えられるため、比較的裕福な暮らしを営めるでしょう。
東京都23区内の人気エリアの物件を借りたり、休日に外食をしたりすることも可能です。あるいは、洋服や趣味にお金をかけることもできるでしょう。
また、年に1〜2回の頻度で海外旅行に行くこともできるかもしれません。
ただし、衣食住全てにこだわると貯蓄ができなかったり、場合によっては赤字になるため注意が必要です。
【年収600万円】お子さんがいると生活に余裕がないという声も多い
世間的に見ると高収入の年収600万円ですが、お子さんがいると「生活に余裕がない」と感じる方が多いようです。
厚生労働省「2021年国民生活基礎調査」によると、児童のいる世帯の年間所得の平均額は813万5000円です。このうち雇用者所得は695万1000円です。
夫婦どちらかの収入だけではなく、共働き世帯が多いことから平均年収以上の世帯年収になっているでしょう。
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出所:厚生労働省「2021年国民生活基礎調査」
同調査の生活意識の状況を参照すると、児童がいる世帯の約6割が生活が「苦しい」と感じていることが分かります。
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出所:厚生労働省「2021年国民生活基礎調査」
お子さんがいると、シングル、もしくは夫婦2人暮らしの場合よりも広い住居が必要であったり、食費をはじめ各種生活費にお金がかかります。
その他にも、学用品代や習い事代、さらには大学や専門学校の進学費用が必要になることも多いです。
また、お子さんを私立の中高一貫校に進学させると年間100万円前後かかる場合があるため、年収600万円だと年間の生活資金が300万円台になる場合もあるでしょう。
こうしたことからも、世間的に高収入である年収600万円世帯であっても生活にゆとりを感じがたいのが現状です。
年収600万円に達するには「自分に合った仕事選び」が前提
本記事で見たように、業界ごとに年収600万円以上稼ぐ人の割合は大きく異なります。
そのため、「年収600万円以上稼ぎたい」という方は職業を決めるにあたって「業種別の給与階級別構成割合」も参考にしてみてもよいでしょう。
ただし、「年収600万円以上稼ぎたいから」という理由のみで業種や職業を選択すると、ミスマッチなどで転職を検討しなければならなくなる可能性も高くなるため注意が必要です。
たとえ業界年収が低くても、自分に合った職業であれば日々のパフォーマンスや能力などが認められて収入がアップする見込みもあるでしょう。
自分の特徴や企業の将来性などを考慮しながらキャリアについて考えてみてください。
参考資料
- 国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査 」
- 総務省「家計調査報告家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」
- 全国宅地建物取引業協会連合会・全国宅地建物取引業保証協会「一人暮らしに関する意識調査(2018年3月)」
- 厚生労働省「2021年国民生活基礎調査」Ⅱ各種世帯の所得等の状況
西田 梨紗
