家計支出で大きな割合を占めるのが、人生三大支出の一つ「住宅ローン」です。
住宅ローンの完済予定年齢はいくつの方が多いのでしょうか。
株式会社Q.E.D.パートナーズが、住宅ローンを返済中の101人に行った調査によると、「住宅ローンは何歳で完済を予定していますか?」という質問に対する回答は以下の通りでした(2022年12月31日公表)。
- 〜50歳まで:6.9%
- 51歳〜59歳:10.9%
- 60歳〜64歳:22.8%
- 65歳〜69歳:28%
- 70歳〜74歳:15%
- 75歳〜79歳:15%
- 80歳上:2%
住宅ローン完済予定の年齢は65歳〜69歳が28%と最多でした。
昨今は晩婚化の影響で30歳代後半や40歳代前半に住宅ローンを組むことも珍しくありません。
35年ローンを組むと、60歳を迎えても住宅ローンの返済が継続します。
では、60歳で住宅ローン残高がある人の平均額はどれくらいでしょうか。定年を迎えるまでに完済するにはどうするべきなのかについても解説します。
60歳代で「住宅ローンが残っている人」の平均残高はいくらか
金融中央広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果」によると、世帯主が60歳代の世帯で、「住宅ローン残高が残っている世帯」の残高は以下のとおりです(2022年2月14日公表)。
世帯主が60歳代の世帯で、住宅ローンが残っている人の平均残高は661万円、中央値は200万円です。
60歳代の住宅ローンの残高として、200万円が実態に近い数値と言えるでしょう。
一方で、1000万円以上の残高の世帯は25%となっており、60歳代で住宅ローンが残っている人の4世帯に1世帯が1000万円以上の残高があります。
60歳代の住宅ローン返済世帯の家計状況とは
先ほどの金融広報中央委員会「 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」によると、世帯主が60歳代の世帯の借入の目的は以下のとおりです。
- 医療費や災害復旧基金:6.4%
- こどもの教育・結婚資金:6.4%
- 住宅の取得または増改築などの資金:44.1%
- 日常の生活費:22.9%
- 耐久消費財の購入資金:20.2%
- 旅行、レジャーの資金:3.2%
- 株式等金融資産への投資資金:0.5%
- 土地・建物等の実物資産への投資資金:4.8%
- 相続税対策の資金:1.1%
- その他:20.7%
最多の「住宅の取得または増改築などの資金」の中には、住宅ローンの返済も含まれると考えられます。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、2人以上の世帯のうち世帯主が60歳以上の負債保有世帯の年間収入は617万円でした(2022年5月10日公表)。
上記は住宅ローン返済世帯に限定されていませんが、金融広報中央委員会の調査を踏まえると、半数近くが住宅ローン返済世帯であるとも考えられます。
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、二人以上の世帯の月平均支出は約30万円ですので、年換算で約360万円です。
世帯主が60歳代の住宅ローン返済世帯の年間収入を617万円と仮定すると、毎年250万円程度は住宅ローンの返済に充当できそうです。
ただ実際にはご家庭差が大きいため、ご自身のご家庭のマネープランを検討する必要があるでしょう。
定年までに住宅ローンを完済する方法
定年後も住宅ローンが残っていると、家計に与える影響が心配になる方もいるでしょう。
定年までに住宅ローンを完済するために今からできる対策を紹介します。
以下の2つの方法を検討しましょう。
- 期間短縮型の繰上げ返済
- 借り換え
定年までに住宅ローンを完済する方法1.期間短縮型の繰上げ返済
繰上げ返済とは、毎月の返済と別途で借入額の一部を返済する方法です。返済が元本に充当され、利息を軽減することができます。
繰上げ返済には、「期間短縮型」と「返済額軽減型」があります。
定年までの完済や返済期間の短縮を目指す場合、期間短縮型を活用するといいでしょう。
たとえば単純計算にはなりますが、住宅ローン残高が1000万円で返済期間10年とすると、200万円返済すれば、返済期間を8年に短縮できます。
定年までに住宅ローンを完済する方法2.借り換え
現在利用している住宅ローンより低金利の住宅ローンに借り換えすれば、金利差の利息の支払いを軽減できます。
また、金利上昇局面で変動金利型から固定金利型の住宅ローンに切り替えれば、将来発生する恐れのある返済金利の上昇を回避できます。
上記2つともデメリットやリスクはありますので、ご家庭の状況に合わせて慎重に検討してみるといいでしょう。
計画的な返済と資産形成で定年後に備える
世帯主が60歳代で住宅ローンが残っている人の場合、残高が1000万円ある世帯は全体の4分の1です。
しかし、残高が1000万円あっても必ずしも老後生活が貧しくなるわけではありません。
平均的な生活を送れば、毎年250万円程度の返済を続けて4年程度で返済することも考えられます。
もちろん、世帯収入や住宅ローンの残高は世帯によって大きな違いがあるので、住宅ローンの返済で家計が苦しい世帯もあるでしょう。
家計の負担を軽減するために定年前から住宅ローン完済に向けて工夫したり、資産形成を行い将来に備えることが重要でしょう。



