商船三井の魅力とは。海運ブームも、コンテナ船運賃は下落へ

では、過去5年間の商船三井の株価推移(月間)を見てみましょう。

出所:各種資料をもとに筆者作成

2020年までは500円から1500円の間を推移していましたが、2021年に入り株価が急騰し、3000円台まで上がっています。

その理由の一つとして、主力事業の一つであるコンテナ船運賃の高騰が挙げられます。

参考までに、英バルチック海運取引所が発表する外航不定期船の運賃指数の「バルチック海運指数」の過去5年間の推移をみてみましょう。

バルチック海運指数の推移(5年間)

出所:各種資料をもとに筆者作成

バルチック海運指数は2020年までもみ合いが続いていたものの、2021年に入り急騰しているのがわかります。

商船三井の「2023年3月期第一四半期決算短信」によれば、持分法適用会社であるONE社ではスポット賃率が前年同期を大幅に上回るレベルで推移し、これまでの運賃の高値推移を反映した長期契約も損益を押し上げ、前年同期比で大幅な増益となっています。

このようにコンテナ船運賃の高騰により大幅な増益となり、商船三井の株価も急騰したと考えられるでしょう。

一方でバルチック海運指数は2022年夏場以降下落しており、商船三井の株価も一時落ち込んでいるのがわかります。