株式投資の銘柄選びでは「高配当銘柄」に注目される方も多いでしょう。

高配当銘柄の一つとして人気の「商船三井(9104)」。2023年1月上旬で配当利回り(会社予想)は17%以上となっており、気になっている方もいるのではないでしょうか。

今回は海運大手「商船三井(9104)」の2022年の株価推移を振り返りながら、その魅力とリスクを確認します。

※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。

【2022年】商船三井の株価推移をチャートで確認

まずは商船三井の株価について、2022年の推移を確認しましょう。

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出所:各種資料をもとに筆者作成

出所:各種資料をもとに筆者作成

2022年の商船三井の株価

  • 大発会:2022年1月4日3033円(調整後終値)
  • 年初来高値:2022年3月16日3880円
  • 年初来安値:2022年10月3日2578円
  • 大納会:2022年12月30日3290円(調整後終値)

2022年、商船三井の株価は3033円(調整後終値)ではじまり、3月には3880円と年初来高値をつけました。

ただ夏場以降はだんだんと株価が低迷し、10月3日に年初来安値である2578円をつけています。その後ゆるやかに戻し、大納会は3290円(調整後終値)で終わりました。

商船三井の魅力とは。海運ブームも、コンテナ船運賃は下落へ

では、過去5年間の商船三井の株価推移(月間)を見てみましょう。

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出所:各種資料をもとに筆者作成

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2020年までは500円から1500円の間を推移していましたが、2021年に入り株価が急騰し、3000円台まで上がっています。

その理由の一つとして、主力事業の一つであるコンテナ船運賃の高騰が挙げられます。

参考までに、英バルチック海運取引所が発表する外航不定期船の運賃指数の「バルチック海運指数」の過去5年間の推移をみてみましょう。

バルチック海運指数の推移(5年間)

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出所:各種資料をもとに筆者作成

出所:各種資料をもとに筆者作成

バルチック海運指数は2020年までもみ合いが続いていたものの、2021年に入り急騰しているのがわかります。

商船三井の「2023年3月期第一四半期決算短信」によれば、持分法適用会社であるONE社ではスポット賃率が前年同期を大幅に上回るレベルで推移し、これまでの運賃の高値推移を反映した長期契約も損益を押し上げ、前年同期比で大幅な増益となっています。

このようにコンテナ船運賃の高騰により大幅な増益となり、商船三井の株価も急騰したと考えられるでしょう。

一方でバルチック海運指数は2022年夏場以降下落しており、商船三井の株価も一時落ち込んでいるのがわかります。

商船三井の株式「本当のリスク」とは

先ほどのバルチック海運指数を見てもわかるとおり、運賃は一時急騰したものの下落しており、海運ブームは終わりとも言われています。

現状のような配当金や株価水準が今後も見込めるかわからない点については、慎重に考えておくべきでしょう。

また、商船三井に限らず、海運業界の株式は「景気敏感株」といわれており、景気の動向によって業績が大きく左右され、それにより株価も変動しやすくなっています。

もともと海運ビジネスはハイリスクな事業で、世界各国の資源需要の影響を受けるほか、タンカーの製造リードタイムが長く、受給の柔軟な調整が難しいという特徴もあります。

商船三井の財務データより、売上高と営業利益の推移をみてみましょう。

商船三井の売上高

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出所:株式会社商船三井「財務データ」

出所:株式会社商船三井「財務データ」

商船三井の営業利益

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出所:株式会社商船三井「財務データ」

出所:株式会社商船三井「財務データ」

売上高の推移は基調が読みづらく、また営業利益は黒字と赤字を転々としているのがわかるでしょう。

2021年度の営業利益は550億円となっていますが、2020年度は▲53億円の赤字になっており、先行きの読みづらさや変動の大きさがわかります。

このような業界特有のリスクも考えておきましょう。

まとめにかえて

高配当銘柄として有名な商船三井ですが、コンテナ船運賃の下落や海運業界特有のリスクを抱えています。

また、世界経済の先行きは不透明感を増しており、景気減速への懸念も高まってきています。

一時的な数値のみでなく、株価の水準や業界の特徴、世界経済の動きを確認するといいでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子