2. 厚生年金と国民年金「ひと月平均いくらか」2011年~2021年の推移を見る

続いて、支給される年金額にはどんな変化があったのかみていきましょう。

ここでは、厚生労働省年金局が公表する「厚生年金・国民年金事業の概況」を参考にします(※使用年度は記事末参考資料に記載)。

2.1 国民年金の平均月額の推移

  • 2011年:5万4612円
  • 2012年:5万4783円
  • 2013年:5万4544円
  • 2014年:5万4414円
  • 2015年:5万5157円
  • 2016年:5万5373円
  • 2017年:5万5518円
  • 2018年:5万5708円
  • 2019年:5万5946円
  • 2020年:5万6252円
  • 2021年:5万6368円

国民年金については、10年前と比較して減少傾向にはありません。微増微減をくり返し、ほとんど同じ水準ですね。

2.2 厚生年金の平均月額の推移

  • 2011年:14万9334円
  • 2012年:14万8422円
  • 2013年:14万5596円
  • 2014年:14万4886円
  • 2015年:14万5305円
  • 2016年:14万5638円
  • 2017年:14万4903円
  • 2018年:14万3761円
  • 2019年:14万4268円
  • 2020年:14万4366円
  • 2021年:14万3965円

厚生年金は、国民年金に加え、報酬比例の年金も受け取ることができるのが特徴です。

報酬比例部分は、基本的に現役中の所得があがれば払う保険料もあがり、年金額も増える性質をもっています。

そのため昇給にともない厚生年金保険料が上がっても、老後への期待をこめて納めている人は少なくないでしょう。

しかし厚生年金はジワジワと受給額が低下し、10年前より月5000円(年間6万円)ほど受給額が少なくなっています。

なお、先述した国民年金の水準は低下していないにも関わらず厚生年金の受給額が減っているということは、報酬比例部分の水準が下がっていると解釈できます。