2017年1月から、20歳以上60歳未満のほぼすべての人が加入できるようになった個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)。制度拡充から半年が経過しましたが、いよいよ始めてみようとする人も、早速初めてみた人も、運用商品の配分については悩みが多いのではないでしょうか。中にはどうしていいかわからず動くに動けない、という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで気になるのは「お金のプロ」の運用です。彼らは一体どのような資産配分で投資をしているのでしょうか。
iDeCoは自分で運用商品を選んで運用する
iDeCoでは、自ら運用する商品を選んで配分を決め、月々の掛け金で購入していきます。自らの運用成果が将来の受け取り額を左右するため「本当に大丈夫だろうか」と不安を感じている方もいるでしょう。
おそらく大部分の方の本音は「できるだけリスクは取りたくないけれど全く増えていかないのも困る。もし増えるチャンスがあるなら増やしたい(それもできるだけ多く)」というところではないかと思います。
もしリスクはとりたくない、あるいは損はしたくないということなら、定期預金を運用商品として選び、節税メリットだけを得ることも可能です。ただし、現在の利率は非常に低い状況にありますので、口座の管理手数料なども含めたトータルのパフォーマンスを考えるなら、投資信託と組み合わせた運用も検討することが現実的な選択です。
とはいえ、どのように組み合わせたらいいのか皆目見当もつかないという方もいらっしゃると思います。そこで、参考にしてみたいのがお金のプロである金融機関の社員の運用です。
「お金のプロ」はどのように自分のお金を運用しているのか
投信1の記事「おカネのプロは毎月何に投資をしているのか」では、世界を代表する資産運用会社であるフィデリティ投信の社員がDC(確定拠出年金)プランで運用する資産の概況を同社から教えていただきました。
これによると、2017年3月末のフィデリティ投信の従業員が加入するDCプランのポートフォリオは以下の構成になっています。
預金(元本確保型):17.9%
保険(元本確保型):6.0%
国内債券型:3.4%
外国債券型:9.3%
国内株式型:28.8%
外国株式型:28.2%
バランス型:6.2%
意外かもしれませんが、元本確保型の預金・保険があわせて23.9%と全体の約4分の1を占めています。いくらお金のプロといっても全額をリスク資産に投資するわけではないのですね。
ただ、国内株式型・外国株式型への投資があわせて57%を占めていることにも注目です。さすがお金のプロ、しっかりとリスクもとって運用しているといえるでしょう。
一方、彼らはその時々の経済動向などに応じてその割合を変えています。たとえば2年ほど前までは、今よりもっと株式型の占める割合が高かったようです。そこで何が起こったのかと振り返ってみると、直近1年だけでも英国のEU離脱による危機や米・トランプ大統領誕生によって高まった保護主義への懸念などが思い出されます。経済動向の不確実性が高まったことにより、お金のプロも安全資産への投資割合をやや高めているのだと考えられます。
まとめ
お金のプロの資産配分はいかがでしたか?安全資産とリスク資産の配分、その割合を変更するタイミングなどは私たちも参考にできそうです。とはいえ、これは必ず勝てる配分といったようなものではありません。仮に今そっくりそのまま真似をしても、刻一刻と変わる状況のなかでは思うような成果が出ないこともありえます。ご自身のお金に対するスタンスと合わない配分ならなおのことです。
iDeCoで積み立てるお金は老後の大切な資金です。守りたいのか増やしたいのか、元本が減るリスクを許容できるのかできないのか、そういった点も考えながらしっかりと自分自身で配分を決めていってください。
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LIMO編集部