3. 「標準的な夫婦世帯の平均年金22万円」と一致しない理由

先ほど、日本年金機構による標準的な夫婦の合計年金は21万9593円と紹介しました。

こちらの金額は「平均標準報酬43万9000円で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準」と定義されているため、今回試算した「平均標準報酬」も「加入期間」も少しずれていることがわかりますね。

標準とされるモデル世帯はあくまでも一つの例であるため、実態を表しているとは言い切れません。

また、現在の年金の水準が今後も続く保証はないので、同じ年収を稼ぐ人でも年齢によって受給額が変わる可能性もあります。

そもそも共働きが増える今、専業主婦世帯をモデルとするのに違和感を覚える方もいるでしょう。

厚生年金の平均受給額は、直近の厚生労働省のデータによると14万4366円(老齢基礎年金を含む)です。

しかし、厚生年金で月15万円を超える割合をみると、全体で約46%にとどまることがわかりました。

出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金の受給額は、あくまでも現役時代の収入や加入期間に左右されますので、「平均」「標準」という言葉に惑わされず、自分自身の目安額を確認しなければ、「平均」を知っても対策がたてられません。