60歳代で貯蓄4000万円以上の世帯の割合
総務省統計局による家計調査から、世帯属性別にみた令和3年度の貯蓄、負債状況調査の結果によると、世帯主が65歳以上の貯蓄割合は以下のとおりです。
- 貯蓄保有世帯の中央値 1588万円
- 平均値 2376万円
- 貯蓄3000万円〜4000万円 9.2%
- 4000万円以上 17.7%
貯蓄3000万円〜4000万円以上を保有する60歳代は、定年退職世代を中心に2割を超えています。
他の世代と比較する60歳代の資産内訳と負債状況
調査結果では、思いの外、60歳代の貯蓄割合が多いように思えましたが、他の世代との相対的比較ではどうでしょうか。
60歳代と他の世代の貯蓄と負債の割合を以下の表にまとめてみました。
40歳未満では貯蓄が726万円、負債が1366万円と、負債が貯蓄を上回ります。その後、貯蓄が負債を上回るのは50歳を過ぎてからです。
世代ごとの貯蓄と負債の推移を見る限りでは、30代で住宅ローンを組んで返済しつつ地道に貯蓄を続けて、退職金の一部で住宅ローンを一括返済し、残りを貯蓄に回しているという推測が当てはまるようです。
貯蓄平均2537万円は、一般的な勤労世帯が積み上げた貯蓄残高と退職金の合計です。しかし、体感的には平均貯蓄額2537万円はやや高いように感じます。
60歳代の資産内訳
- 定期制預貯金 39.5%
- 通貨性預貯金 26.6%
- 生命保険など 17.2%
- 有価証券 16.6%
- 金融機関外 0.2%
資産の多くを現金と生命保険等で占められており、有価証券は16.6%、不動産等と見られる金融機関外はわずか0.2%でした。
貯蓄額4000万円を超える層の資産内訳が分かる資料がないため詳細は不明ですが、有価証券の配当金や不動産などの不労所得の割合が多い可能性があります。