クリスマスに年末と、今年を締めくくる行事が目白押しのこの時期。

新年に向けて気持ちも引き締まりますが、一方でコロナ禍や相次ぐ値上げの中、家計が疲弊している家庭も多いと思います。

今年は、低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金や、住民税非課税世帯等に対する緊急支援給付金(電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金)などが話題となりましたね。

このような制度ではしばしば条件にあげられるのが「住民税非課税世帯」ですが、目安として年収がいくらくらいだと該当するのでしょうか。

今回は「住民税非課税世帯」にフォーカスを当てて解説します。

【注目記事】住民税非課税世帯に5万円支給が決定。非課税世帯は年収いくらで該当するか

1. 【住民税非課税世帯】に該当する条件とは

しばしば助成金制度の条件にあがる「住民税非課税」とは、文字通り「住民税が課税されていない」状態を意味します。

住民税とは地方税の1つで、前年中の所得に対して課税される「所得割」と、個人に均等に課税される「均等割」から成ります。

1.1 住民税非課税世帯とは

もし生計を一にする家族全員が住民税非課税である場合に、その世帯は「住民税非課税世帯」となります。

1.2 住民税非課税の条件

住民税のうち「所得割」については、所得がなければ0円になります。

「均等割」は所得に限らず誰でも一律に負担するものですが、いくつかの条件を満たせば非課税になります。

条件は自治体によって異なりますが、ここでは東京23区の「所得割」と「均等割」が非課税になる条件を見てみましょう。

(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万   
         4000円未満)の方
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方

<同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合>
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
<同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合>
45万円以下

東京23区の場合、前年の合計所得金額が45万円以下であれば、扶養家族の有無にかかわらず非課税となるといえます。

ここで「合計所得金額」がよくわからないと感じる方もいるでしょう。そこで、次からは目安となる年収もご紹介します。

2. 「住民税非課税」になるのは年収いくら?

東京23区の場合、非課税になるラインは前年の合計所得金額が45万円以下でした。この「合計所得金額」とは、その年の所得の合計のこと。さらに所得とは、収入から必要経費を引いたものを表します。

例えばフリーランス等の事業所得であれば「仕事にかかる経費を収入から引いたもの」、会社員等の給与所得は「給与所得控除を収入から引いたもの」で求めます。

もちろん、他にも収入があればそれぞれの計算式にて「所得」を求め、これらの合計がその年の「合計所得金額」となります。

では合計所得金額が45万円以下というのは、年収で見るといくらなのでしょうか。大阪市を参考に、収入源や家族構成によって確認しましょう。

2.1 年金受給者(収入は年金のみ)

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出所:大阪市「個人市・府民税が課税されない方」

出所:大阪市「個人市・府民税が課税されない方」

  • 単身世帯(65歳以上):155万円以下
  • 夫婦世帯(65歳以上):211万円以下

※公的年金受給者が配偶者を扶養する場合

2.2 給与所得者

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出所:大阪市「個人市・府民税が課税されない方」

出所:大阪市「個人市・府民税が課税されない方」

  • 単身世帯:100万円以下
  • 夫婦:156万円以下
  • 夫婦と子ども1人:205万9999円以下
  • 夫婦と子ども2人:255万9999円以下

※給与所得者が配偶者を扶養する場合

このように、非課税になる年収は収入の種類、扶養する家族の人数によって変わります。

また居住地によっても異なるケースがあるため、くわしくは自治体のホームページや窓口で確認してみましょう。

3. 住民税非課税にはさまざまな助成がある

住民税が非課税ということは、所得が一定以下で生活が厳しいことがわかります。

そこで、日本には住民税非課税世帯を対象として、さまざまな助成制度があります。

具体的にどのような制度があるのか見ていきましょう。

3.1 低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金

子育て世帯のうち、ひとり親や低所得などの家庭には「子育て世帯生活支援特別給付金」として児童1人あたり5万円が支給されました。

継続的な支援ではありませんが、このような給付金は今後も検討される可能性はあります。

3.2 緊急支援給付金(電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金)

住民税均等割非課税世帯や2022年1月から12月までに家計に急変のあった世帯へ、電力、ガス、食料品などの価格高騰に対する支援として5万円の給付がありました。

3.3 幼児教育・保育の無償化

0~2歳児は幼児教育・保育の無償化の対象外ですが、住民税非課税世帯であれば全年齢で無料化となります。また副食費等を無料にする自治体もあります。

3.4 大学無償化(高等教育の修学支援新制度)

大学などの授業料や入学金が、免除もしくは減額される制度もあります。学生生活を送るための生活費として、日本学生支援機構(JASSO)から給付型奨学金を受け取ることもできます。

3.5 高額療養費の自己負担額の軽減

医療費の自己負担額が高額になったときに、自己負担限度額を超えた金額が払い戻されるという高額療養費制度があります。

非課税世帯の場合、この自己負担限度額が低く設定されているため、医療費の負担が少なくなります。

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出所:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

出所:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

他にも国や自治体の制度には、「住民税が非課税であること」を基準としたさまざまな制度があります。

4. まとめにかえて

住民税非課税になる年収の目安や、非課税世帯への助成制度を見ていきました。

特にコロナ禍や物価上昇の折には、住民税非課税世帯を対象とした給付金が話題となりやすいです。

年収の目安となるラインを知っておくといいでしょう。

参考資料

太田 彩子