1. 厚生年金・国民年金「2階建ての年金制度」の仕組みを解説
日本の年金制度は、国民年金と厚生年金の「2階建て」です。
ベースとなるのは1階部分の「国民年金」。それに上乗せする形で、サラリーマン(会社員や公務員など)は、「厚生年金」に加入します。
厚生年金の保険料は給与からの天引きで納付し、年金加入期間とともに、現役時代に納付した保険料が将来の年金額を左右します。
長く働き、多く稼いだ人ほど年金額が上がる(ただし上限あり)というしくみですね。
2. 厚生年金「月額14万円」現役時代の年収はいくらなのか
厚生労働省「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)の平均月額は14万4366円です。
注意として、ここには国民年金の月額が含まれています。
2020年度の国民年金の満額6万5141円を差し引くと、7万9225円。これが厚生年金部分の平均ということです。
月額約8万円(年間96万円)が厚生年金として上乗せされると想定し、ここから現役時代の年収を逆算してみましょう。
2.1 厚生年金の計算式
- 2003年3月以前:平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
- 2003年4月以降:平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
2.2 試算条件
- 2003年4月以降に厚生年金に38年間加入した
- 国民年金は40年間未納なし
- 配偶者や扶養家族はいない
2.3 年収をシミュレーション
- 平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数=96万円
となるための「平均標準報酬額」を考えます。
「平均標準報酬額」に38万4000円を入れてみると、95万9745円となるのでだいたい近い数字になりますね。
厚生年金として8万円を受け取るには、38年間の年収目安は「38万4000円×12=460万8000円」が必要ということになります。
しかし、実際には年収ではなく標準報酬月額という数字を使うため、ずれは出てくるでしょう。