1. 年金を増やす「繰下げ受給」のしくみを確認
さいしょに、年金の繰下げ受給について整理しましょう。
一般的に公的年金は65歳から支給がスタートしますが、ライフスタイルに合わせて受け取る時期を早めたり遅らせたりできます。それが「繰上げ受給」と「繰下げ受給」です。
繰上げ受給の減額率は、1カ月につき0.4%、繰下げ受給の増額率は1カ月につき0.7%です。
1.1 年金の繰下げ受給
「繰下げ受給」は、年金を遅く受け取り始めたぶん、年金額が増えます。75歳まで繰下げた場合、冒頭でも触れたように最大84%年金額がアップします。
「年金額が84%増える」となると、例えば10万円の年金は18.4万円に、15万円の年金は27.6万円に、20万円の年金は36.8万円になるわけです。具体的な数字で見るとかなりインパクトがありますね。
老後の年金額を増やせるしくみを心強く感じた人も多いでしょう。でも、一見おトクなこの「繰下げ受給」の制度、実は生じ得るデメリットについても知っておく必要があるのです。
繰下げ受給で年金を増やすことで、生じる可能性があるデメリットとはどのようなものでしょうか。次で詳しく見ていきます。