3. 年金の「増やしすぎ」で生じるデメリット
日本年金機構の「繰下げ受給」に関する注意点の7番目には、「年金生活者支援給付金、医療保険・介護保険等の自己負担や保険料、税金に影響する場合がある」と挙げられていました。
健康保険料や介護保険料は所得に応じて金額が決まります。そのため、年金額を増やしすぎた場合「天引きされるお金」も上がります。年金は「額面通り」に受け取れないのです。
ちなみに、要支援・要介護認定を受けて介護サービスの利用が始まってからも、介護保険料は生涯納付します。
このように「年金からも天引きされるお金」を意識しておく必要があるでしょう。
年金額が増え、老後の安心感が増す点は、繰下げ受給の最大の魅力といえるでしょう。とはいえ制度の活用にあたっては、年金から天引きされる社会保険や税金についても頭の片隅に入れておく必要がありそうです。
3.1 資料:国民年金・厚生年金の受給額
老後の年金額は現役時代の働き方や収入などの影響を受け、人それぞれです。
「繰下げ受給」や「繰上げ受給」のしくみを検討する場合、まずは自分がいくら年金をもらえそうか把握するところから始めましょう。
「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を活用しながら、まずはご自身の受給見込額をチェックできるとよいですね。