「個人保証の制限」で起こり得ること

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経営者の個人保証を制限しようというのは、おそらく「中小企業の経営者がかわいそうだから助けてあげたい」という温かい心から出てきた話でしょう。

しかし、経済を論じる際には温かい心に加えて冷たい頭脳が必要です。時として、両者の結論が異なる場合がありますが、そうした場合には冷たい頭脳を優先せざるを得ない場合も多いのです。

「経営者の保証が得られないなら融資しない」という銀行が多数派であれば、中小企業が融資を得られず倒産してしまうリスクを「温かい心による政策」が高めてしまうかも知れません。

日本経済にとってどちらが望ましいのかは一概には言えません。

しかし、「個人保証さえ不要なら、積極的に起業したい」というビジネスパーソンが多数存在し、それに対して前向きに融資してくれる銀行が少なからず存在するならば、そのあたりのことを実態調査した上で改めて検討するという手順はもちろん必要だと思います。