「事業成長担保権」は、銀行にとってメリットとなり得るか

ノウハウなどの無形資産をも含めて担保権の対象とする「事業成長担保権」の制度を政府が検討しているとも伝えられます。

とはいえ、企業が倒産すればノウハウなどは散逸するでしょうから、銀行にとってのメリットは限定的でしょう。

「事業成長担保権」が使われるのはどんなときか

出所:金融審議会 事業性に着目した融資実務を支える制度のあり方等に関するワーキング・グループ 資料7「金融機関から見た事業成長担保権」

日本経済の発展のためには事業性のある企業を育てるべきだ、というのはその通りです。しかし、その役割を担うことを期待するのは投資会社に対してであって、銀行に対して期待するのは無理なのです。

投資会社が事業性のある企業を発掘し、そこに出資して「高い確率で大儲けするか、低い確率で大損するか」という期待値の高い賭けをすればよいのです。

リスク分散のために複数の企業に投資すれば、期待値が高い分だけ利益が得られる可能性は高いはずですから。