2. 商船三井の業績を占うバルチック海運指数の推移とは
好調だった商船三井の株価は、なぜもみ合いの状態が続いているのでしょうか。
株価に与える影響は多々ありますが、ひとつの要因として考えられるのは、海運会社の業績を占うとされる「バルチック海運指数」です。
バルチック海運指数とは、英バルチック海運取引所が発表する外航不定期船の運賃指数のことで、海運会社にとっての「単価」の変動を表すというとわかりやすいでしょう。
2.1 バルチック海運指数の推移(5年間)
バルチック海運指数は2021年9月に13年超ぶりの高水準となり、その後下落しているのがわかります。
2.2 バルチック海運指数の推移(1年間)
ここ1年間の推移をみると5月に上昇したものの8月にかけて下落し、その後上がるももみ合いの状態が続いています。
つまり、「運賃指数が13年ぶりの高水準となった後下落し、もみ合いの状態が続いていることが商船三井の株価に影響した」と言えるのではないでしょうか。
商船三井の「2022年度第2四半期報告書」によれば、持分法適用会社であるONE社は8月半ば以降スポット賃率は大きく下落したものの、期中平均で前年同期を大幅に上回るレベルを維持しているとのこと。
ただコロナ禍により物流のひっ迫で海上運賃が急騰したものの、その後の下落や2023~2024年は新造船による供給過多などもあり、運賃が下がるリスクも抱えています。