クリスマスシーズンに咲く花(※編集部注)として知られているクリスマスローズ。12月には花が咲かず、実際に咲きだすのは年が明けてから…ということがよくあります。
12月後半から咲き始め、もともとクリスマスローズと呼ばれていたのは原種のヘレボルス・ニゲル。今回は「元祖クリスマスローズ」ともいえるヘレボルス・ニゲルの特徴や育て方を紹介します。
【※参考記事】【ガーデニング】冬の定番「クリスマスカクタス」が艶やか!育て方&管理のコツとは
12月に花咲く「ヘレボルス・ニゲル」とは?
・キンポウゲ科ヘレボルス属
・常緑多年草
・原産地:スロベニア・ドイツ・イタリア・オーストリアなど
・参考価格:500~800円前後(3号ポット苗)
ヘレボルス・ニゲルはヨーロッパの高山や林間に自生する植物。「ニゲル」という名前は、根が黒っぽいことに由来しています。根は古くからヨーロッパで薬草として利用されていました。
へレボルス属には多くの品種がありますが、ニゲルはほかの品種に先駆けて、12月のクリスマスが近くなった頃に開花。花がバラに似ていることから、英名で「クリスマスローズ」と名付けられました。
日本ではほかの原種や交配種を総称してクリスマスローズと呼びますが、本来の意味でのクリスマスローズはこのニゲルのみを指しています。ニゲル以外のクリスマスローズが12月に開花しないのも当然のことといえるでしょう。
「ヘレボルス・ニゲル」とキリスト教の関わり
ヘレボルス・ニゲルにはキリスト教と深い関りのある伝説があります。キリストが誕生したとき、1人の貧しい少女がお祝いに訪れました。
しかし貧しくて贈り物を用意できず、悲しみのあまり少女は涙を流します。その涙が地上に落ちた場所に純白の美しい花が咲き、少女はその花を摘んで聖母マリアとキリストに捧げたということです。
ニゲルは少女の純粋な心とキリストの誕生を祝う気持ちの象徴とされ、キリスト教徒の間で語り継がれました。今でもクリスマスシーズンになるとニゲルが教会にお供えされています。
ヘレボルス・ニゲルの特徴
ヘレボルス属は1本の茎に葉と花が開く「有茎種」と、葉の茎と花の茎が別々に伸びる「無茎種」の2種類に分けられます。ニゲルは基本的には有茎種ですが、両方の性質を持ち合わせているので「中間種」とされることも。
葉は常緑でやや肉厚。花は真っ白の一重で、ツボミを包む苞葉(ほうよう)がないためツボミのうちから花弁の白がはっきり見えます。
花は咲き終わる頃になるとややピンクがかった色合いに。ほかの品種はうつむき加減に咲くものが多いのですが、ニゲルは横向きや上向きに咲くのも特徴のひとつです。
ヘレボルス・ニゲルの育て方
日当たり
日当たりから半日陰までで育てられますが、基本的には明るい場所の方が花数も多くなります。ただし夏の強い直射日光に当たると株が傷んでしまうことも。
地植えの場合は落葉樹の根元に植えるのがオススメです。鉢植えは秋から春までは日当たりで育て、夏は半日陰に移動しましょう。
水やり
乾燥に強く多湿を嫌うので水やりは控えめに。地植えは基本的に水やりしなくても大丈夫です。鉢植えは表面の土が乾いたのを確認してから、鉢底から流れ出るまでタップリ水を与えましょう。
夏は休眠期なのでやや乾かし気味に管理してください。
肥料
10月頃になると休眠から覚めて活動を開始します。栄養補給のために緩効性肥料を施してあげましょう。鉢植えは肥料切れしやすいので、12月、2月にも緩効性肥料を与えるのがオススメ。
月に2回程度液体肥料を与えると、さらに花付きがよくなります。
ヘレボルス・ニゲルの開花後の手入れ
開花後の手入れ
花弁のように見えるのは実はガクが変異したもの。ピークを過ぎても散らないので、見た目はやや劣るもののそのままでも楽しめます。
種ができると株が弱るので、花ガラを摘み取ったり、中央の種だけを取り除いたりするとよいでしょう。
植え替え
地植えは植え替えの必要はありませんが、鉢植えは株が生長し鉢が窮屈そうになったら植え替えをおこないます。適期は10~12月。根が傷まないように気をつけながら、ひとまわり大きめの鉢に植え替えましょう。
まとめにかえて
雪のような白い花でシンプルな美しさが際立つヘレボルス・ニゲル。原種ならではのナチュラルな素朴感が魅力で、クリスマスシーズンの庭を神聖な雰囲気にしてくれます。
クリスマスローズというからには、クリスマスに合わせて咲く品種をぜひ育てたいものです。ヘレボルス・ニゲルを植えて、開花を指折り数えて待つのも楽しいかもしれませんね。






