2. 厚生年金「年収400万円と年収1000万円」で試算

では、年収400万円と年収1000万円のそれぞれの年金額(報酬比例部分)を試算し、比較しましょう。

報酬比例部分の計算はやや複雑なので、以下「平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数」で大まかな金額を算出します。平均標準報酬額とは、加入期間中の賞与を含めた平均月収です。

2.1 年収400万円の人が65歳から受け取る年金額

まず、20歳から60歳まで480カ月の平均年収が400万円の人の65歳以降の厚生年金額を試算してみます。

平均標準報酬額を33万3000円(400万円の1/12)とすると、報酬比例部分は約87万6000円(33万3000円×5.481/1000×480カ月)となります。

国民年金約77万8000円と合算すると約165万4000円、月額では約13万8000円です。

2.2 年収1000万円の人が65歳から受け取る年金額

上記と同様に平均年収が1000万円の人の厚生年金額を試算してみましょう。

月額は83万3000円ですが、平均標準報酬額の上限は65万円です。報酬比例部分は約171万円(65万円×5.481/1000×480カ月)となります。

国民年金と合算すると約248万8000円、月額では約20万7000円です。

3. 厚生年金、年収1000万円は年収400万円の2倍にはならない

以上の計算結果を表にまとめて比較します。

出所:筆者作成

年収が400万円と1000万円では2倍以上の差がありますが、年金額は13万8000円と20万7000円と差額は約7万円です。大きな差ではありますが、2倍以上の開きはありません。

2倍以上の差にならないのは標準報酬月額に上限があることと、国民年金が同じ金額であることが理由です。

標準報酬月額の上限が65万円なので、年収1000万円でも1500万円でも同じ加入月数であれば受け取る年金額は同額となるわけです。

月額20万7000円は1人分なので、夫婦世帯ならより多くの金額を受け取れます。しかし、年収1000万円の人の生活レベルを老後に公的年金だけでまかなうのは難しいのではないでしょうか。